クネセト(英: Knessetヘブライ語: הכנסת(語源: 「集会」); アラビア語: الكنيست)は、イスラエルの政府を構成する主要な立法府です。クネセトは法律の制定・改廃、政府の監督・信任、不信任決議や政府の解散(新たな選挙の実施)など、国家運営に直接関わる権限を持っています。議員定数は120名です。

役割と権限

  • 立法: クネセトは国内法を制定・修正・廃止する権限を持ち、通常は単純多数で法案を可決します。憲法に相当する位置づけの「基本法(Basic Laws)」もクネセトが制定・改正します。
  • 政府の選出と監督: クネセトは首相をはじめとする閣僚を事実上選出・承認し、議会の信任を通じて政府を成立させます。内閣に対する質問、調査委員会の設置、閣僚不信任決議などで政府を監督します。
  • 拒否・罷免・解散: 大統領や国家会計検査官などの公職者の罷免を行う権限や、クネセト自らを解散して新しい総選挙を行う権限があります。
  • 予算の承認: 国家予算の審議・承認はクネセトの重要な職務の一つです。財政委員会や財政に関する審議を通じて政府支出をチェックします。

選挙制度と構成

  • 比例代表制(全国一区): イスラエルのクネセト議員は、全国を1つの選挙区とする名簿式比例代表制で選出されます。政党名簿に基づく当選者配分が行われます。
  • 選挙閾値: 現行制度では、政党がクネセトに議席を得るための最低得票率は約3.25%(選挙ごとに法的条件の変更があり得ます)です。
  • 任期: 原則として任期は4年ですが、政治状況により政府やクネセトの解散で任期途中に総選挙が行われることが多くあります。
  • 連立政治: 多数政党制のため単独で過半数(61議席)を獲得する政党は稀で、通常は複数政党による連立政権が形成されます。

運営と委員会制度

  • 議長(スピーカー): クネセトには議長が置かれ、議会運営や本会議の進行、会期の管理などを行います。
  • 常設委員会: クネセトは多数の常設委員会を持ち、法案審議や政府監督、各分野の調査を担当します。代表的な委員会には、憲法・法務・内務委員会、財政委員会、外交・安全保障委員会などがあります。
  • 議席と免責: 議員には本会議・委員会での発言の免責や、一定の法的保護が与えられていますが、犯罪行為が疑われる場合は議会の承認で起訴されることもあります。

所在地と歴史

クネセトの本会議場は、エルサレムの西部中央に位置するギヴァット・ラムにあります。イスラエル建国後まもなく1949年に初めて議会が組織され、それ以来クネセトが立法府として機能しています。名称はヘブライ語で「会議」「集会」を意味する語に由来します。

現在の状況

(2024年時点)現在のクネセトは第25期で、2022年11月の総選挙で選出され、以降の政治的動向に応じて立法・監督活動を行っています。クネセトの構成や与野党の勢力は選挙ごとに変動し、内閣の安定性に直結しています。

クネセトはイスラエルの政治制度において中心的役割を果たしており、法整備、政府監督、国民代表としての機能を通じて国家運営に寄与しています。