概要

ラトビア・ラッツ(複数形: lati、記号: Ls)は、20世紀初頭の独立後と、冷戦終結後の独立回復後という、2つの異なる時期におけるラトビア共和国の公式通貨だった。ラトビアが2014年1月1日にユーロを導入するまで、国内の主要な交換手段、計算単位、価値保存手段として機能した。通貨制度や定義の背景については通貨を、国そのものの背景についてはラトビアを参照。

特徴と額面

ラッツは十進法で、1ラッツは100サンティムに等しかった。硬貨と紙幣の両方で流通し、そこには国の象徴、文化的モチーフ、著名なラトビア人の肖像が用いられていた。略称の「Ls」は商取引や会計で一般的に使われた。実際の通貨としては、日常の少額支払い向けの小額硬貨から、高額取引向けの高額紙幣まで幅広かった。

歴史と発展

最初のラッツは、第一次世界大戦後にラトビアが独立国家として成立したのち、1920年代初頭に導入された。この通貨の時代は1940年に終わり、占領後にソ連当局がラッツをソ連ルーブルに置き換えた。ラッツは1993年に、ラトビアが独立を回復した後に再導入され、暫定的な移行通貨を置き換えるとともに、ポスト・ソビエト期の移行において国民経済の安定化に役立った。その後20年余りの間に、ラトビアは経済改革と収斂基準を進め、最終的にユーロ導入を可能にした。

ユーロへの移行

2014年1月1日、ラッツはラトビアの法定通貨でなくなり、ユーロに置き換えられた。切り替えの際には、短く定められた二重流通期間が設けられ、その間はユーロとラッツの両方が取引に使用できた。ラッツの紙幣と硬貨は、その期間の後も銀行で交換できた。これを置き換えた通貨についてはユーロを参照。

用途、デザイン、文化的重要性

ラッツの紙幣と硬貨は、通貨としての機能を超えて、国民的アイデンティティを表現する手段でもあった。デザインには、民族的な模様、建築モチーフ、紋章、ラトビアの歴史や文化に結びつく人物がしばしば取り入れられた。収集家や博物館は、その美的価値と、20世紀から21世紀初頭にかけてのラトビア国家史における役割の両面から、ラッツに関心を持ち続けている。

注目すべき点と区別

  • 「ラッツ」という語はラトビア固有のもので、複数形の「lati」はラトビア語や多くの英語資料で用いられる。
  • この通貨は、戦間期とポスト・ソビエト期という2つの中断された時代に存在し、その間は数十年にわたってソ連の通貨体系に組み込まれていた。
  • 略称Lsは、通貨が使われていた時期に、値札、公文書、会計記録などで広く用いられていた。

現在でもラッツは、歴史的・貨幣学的な関心の対象であり続けている。その硬貨と紙幣は、収集品、展示、そしてラトビアの経済史と国家象徴をめぐる議論の中に見られる。通貨移行やバルト三国の欧州構造への統合を研究する人々は、共有された超国家的通貨への移行に成功した国民通貨の例として、ラッツを挙げることが多い。