概要

左翼ファシズム(「左翼ファシズム」または軽蔑的に「赤色ファシズム」と呼ばれることもある)は、通常はファシズムに結び付けられる権威主義的で不寛容な、あるいは大衆動員型の手法を取りつつ、左翼と見なされることの多いレトリック、象徴、政策を組み合わせる現象を指す。用語の是非は争われており、急進的な社会改革の言説と民族主義的または権威主義的な組織を融合させた特定の歴史潮流を指して用いる学者もいれば、左派内部の権威主義的傾向に対して当てられる論争的なレッテルだとみなす学者もいる。

典型的な特徴

この語が使われる場合、分析者は通常、単一の定義ではなく特徴の集まりを指摘する。よく挙げられる特徴には次のようなものがある。

  • 反対意見を抑圧する、権威主義的な組織運営と中央集権的指導。
  • 国家統制やシンジカリズム的提案のような集産主義的経済言語と、強い民族主義的または排他的な訴えの併存。
  • 自由主義的制度を迂回するための大衆動員、準軍事組織、あるいは直接行動の利用。
  • 自由主義への反感、議会主義への反感、そして社会を新たな理念の方向に組み替えるという約束。

歴史と事例

左翼的なファシズムの変種をめぐる議論は戦間期に始まり、第二次世界大戦後に強まった。研究者や論者は、ヨーロッパ各地に現れた急進主義、民族主義、権威主義の複雑な組み合わせをどう捉えるかを試みたためである。関連するとされる歴史的潮流には、社会主義的レトリックと強い民族主義を混ぜた初期の運動や、より広いファシスト的編成の内部で社会革命的主題を強調した諸派が含まれることがある。ユルゲン・ハーバーマスらの論者は、大衆運動における権威主義的傾向やイデオロギーの収斂に関する関連論点を検討してきたが、学術的な扱いは対象範囲やラベルの付け方で異なる。より広いファシズムの伝統と戦後の議論については、ファシズムおよび戦後の議論を参照。

用法、論争、区別

この表現はしばしば物議を醸す。批判者は、古典的なファシズムは階層的民族主義、統一の崇拝、平等主義的な左派価値の拒絶に根ざしているため、「左翼ファシズム」という呼び名は矛盾している可能性があると主張する。これに対し、この語の使用を支持する側は、運動は単純な左右図式に収まらない形で要素を混交しうるのであり、危険は表明された経済綱領ではなく権威主義的実践にあると反論する。政治的レトリックでは、この語は精密な分析概念というより、しばしば非難として用いられる。

この用語が重要な理由

この概念を理解するには、イデオロギーと実践を区別する必要がある。二つの運動が反資本主義のスローガンを共有していても、目的と手法は根本的に異なりうる。ひとつは社会改革を伴う多元主義的民主主義を追求し、もうひとつは上からの排他的統制を追求するかもしれない。読者や研究者は、左翼政治、政治スペクトル上でのファシズムの通常の位置づけに関する研究として極右、そしてこの論争に関わる人物による学術分析として主要な議論を参照できる。