液体とは?特徴・性質・例を徹底解説|粘度・圧力・沸点の基礎
液体の基本を図解でわかりやすく解説。粘度・圧力・沸点の原理や計算式、代表例(水・油・血液)まで基礎を完全ガイド。
液体は物質の一形態である。固体と気体の間に位置している。液体はほぼ一定の体積を持っていますが、決まった形をしていません。外から与えられる力に応じて流動し、容器の形に従います。
液体を構成する分子は互いに比較的近接して配置され、互いの位置を保ちながらも自由に移動できます。この分子間の相互作用が、液体の特性(粘性、表面張力、密度など)を決めます。
主な特徴と性質
- 流動性:液体は外力や重力で流れる。容器の形に従うため、形は定まらないが体積はほぼ一定。
- ほとんど圧縮されない:気体に比べて体積変化が小さい(実用的には「ほとんど圧縮できない」)。
- 粘度(Viscosity):流れにくさの指標。粘度が大きいほどゆっくり流れる。単位はPa·s(パスカル秒)やcP(センチポイズ)。
- 表面張力:液体表面が最小面積になろうとする性質。水滴の丸まりや毛細管現象の原因。
- 密度:単位体積あたりの質量。液体ごとに異なり、浮力や層状の分離に影響する。
粘度と温度の関係
粘度は液体の内部抵抗で、温度によって大きく変わります。一般に気体は温度が上がると粘度が増えるのに対し、多くの液体では温度が上がると分子間の結合が緩み、粘度は下がります。例えば、タールや非常に粘性の高い流体はゆっくりしか流れず、見かけ上は固体のように振る舞うことがあります(元の例:タールの記述)。粘度の測定には粘度計(ビスコメータ)が用いられます。
圧力と深さ(静水圧)
液体中では、上にある部分の重さが下の部分に伝わるため、深さが増すほど圧力は大きくなります。静水圧は次の式で表されます。
p = ρgz
ここで、ρは液体の質量密度、gは重力加速度(地球上では約9.81 m/s²)、zは液面からの深さです。式から分かるように、液体の種類(密度)と深さが圧力を決定します。容器の形状には依らず、同じ深さでは同じ圧力が働きます(パスカルの原理の基礎)。
また、液体に浸された物体には浮力が働きます。アルキメデスの原理によれば、その浮力は押しのけられた液体の重さに等しく、式で表すと F_b = ρVg となります(ここでVは押しのけられた体積)。これにより物体が浮くか沈むかが決まります。
相変化(凝固と沸騰)
液体は温度や圧力の変化により相が変化します。ある温度より冷やすと固体になり、この温度を融点または凝固点と呼びます(元文:固体になります、融点の記述)。一方、加熱すると気体(蒸気)になり、その温度を沸点と呼びます(元文:ガスになります、沸点との記述)。例として普通の大気圧では水は0°Cで凝固し、100°Cで沸騰しますが、圧力が変わるとこれらの温度も変化します(高圧で沸点は上昇、低圧で下降)。また、過冷却や過熱といった状態(凝固しないまま冷却される、沸騰せずに温度だけ上がる)も起こり得ます。
液体の例と用途
液体の代表例としては、元の文にもあるように、水、油、血液などがあります。ほかにアルコール類、水銀(金属でありながら常温で液体)やグリセリン、エタノールなども挙げられます。液体は日常生活や産業で幅広く使われ、冷却剤、潤滑剤、溶媒、燃料、液体燃料電池の電解質、血液のように生命維持に不可欠な役割も果たします。
測定と単位
- 密度:一般にkg/m³で表す。液体ごとに異なり、密度は浮力や層の形成に影響する。
- 粘度:Pa·s(パスカル秒)やcP(センチポイズ)。
- 圧力:Pa(パスカル)やkPaなど。
注意点と補足
液体は一見単純に見えますが、温度・圧力・組成によって特性が大きく変わります。混合液では密度や粘度が層ごとに異なり、分離が起きることもあります。工学や化学の分野では、流体力学や熱力学の知識が重要となります。
最後に、液体の基礎的な圧力の式として、再掲します。
p = ρgz
ここでのρは液体の重さを表す数値で、これを密度と呼び、液体によって異なります。

水は液体
質問と回答
Q:液体とは何ですか?
A:液体とは、固体と気体の中間に位置する物質のことです。体積はほぼ固体だが、固体の形を持たず、分子同士が自由に動き回ることができる。
Q:重力は液体にどのような影響を与えるのでしょうか?
A: 液体が重力によって、入っている容器の形になるのは、小さな力が加わるたびに、液体が流れて形を変えるからです。
Q:粘度とは何ですか?
A:粘度は、液体がどれだけゆっくり、あるいは速く流れるかを示すものです。タールなどの粘度の高い液体は、固体に見えることがあります。
Q:液体を絞ることはできますか?
A:いいえ、液体を絞るのは難しいです。
Q:液体は何度で固体になるのでしょうか?
A:液体を融点または凝固点(液体の種類によって異なる)以下に冷やすと、固体になります。
Q:液体が気体になるのは何度ですか?
A:液体を沸点以上に加熱すると、気体になります。
Q:液体の圧力はどのように計算するのですか?
A:液体の圧力は、p=ρgzという式で計算できます。zは地表からの深さ、gは液体を引っ張る重力の強さ、ρは密度で、液体の重さを表しています。
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