磁気共鳴画像法(MRI)、または別名で呼ばれる核磁気共鳴画像(NMRI)は、医師が体内の軟部組織(肉)を詳しく観察するために用いる検査です。これは核磁気共鳴(核磁気共鳴)という現象を利用して、非侵襲的に内部構造の画像を作成します。

原理(簡単な仕組み)

MRIの原理は主に次の要素から成ります。体内に豊富にある水分子中の水素原子の核(プロトン)が外部の強い磁場に整列します。そこへ短時間の無線パルス(ラジオ周波数、電波)をあてると、これらのプロトンはエネルギーを吸収して共鳴し、元の状態へ戻る過程で微弱な電磁信号(信号)を放出します。

この信号をMRIの受信コイル(スキャナーの一部)が検出し、検出された信号をコンピュータで処理(フーリエ変換などの数学的処理)することで、断面像として再構成されます。空間情報の付与には磁場の勾配(グラディエント)を用い、位置ごとに周波数や位相を変化させることで画像化します。

撮影の流れ(実際の検査で何が起きるか)

  • 患者は可動式のベッドに横たわり、検査部位に応じた受信コイルを装着します。
  • ベッドは大きな筒状の磁石内にゆっくりと入ります。強い磁場中で、短い電波パルスが照射されます。
  • 照射により体内の特定の原子(主に水素核、原子)が励起され、停止した際に放出する微弱な信号をスキャナーが受信します。
  • 受信した信号はスキャナー(スキャナー)からコンピュータへ送られ、画像として再構成されます。
  • 検査時間は目的や撮像法によりますが、数分〜1時間程度が一般的です。

主な撮像法(代表的なシーケンス)

  • T1強調像:解剖学的構造や脂肪の描出に優れる。
  • T2強調像:水分や炎症の描出に優れ、病変が明瞭に見えることが多い。
  • FLAIR:脳室周囲の微小な病変(白質病変)を検出しやすい。
  • DWI(拡散強調像):急性脳梗塞の早期診断に有用。
  • MRA(血管撮像):血管の形態評価(造影剤なしで可能な方法もある)。
  • 造影MRI:ガドリニウム造影剤を用いることで病変の性状や血管新生を評価する。
  • 機能的MRI(fMRI):脳の機能活動を評価する(研究・術前評価に使用)。
  • MRスペクトロスコピー(MRS):組織の化学的情報を取得し、腫瘍や代謝異常の補助診断に用いる。

臨床での主な用途

  • 脳:腫瘍、脳梗塞、多発性硬化症、てんかん病巣の評価
  • 脊椎・脊髄:椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍、脊柱管狭窄
  • 関節・筋骨格系:靭帯・腱損傷、軟部腫瘍、骨髄病変
  • 腹部・骨盤臓器:肝・膵・腎の腫瘍や炎症(造影で性状評価)
  • 心臓:心筋の線維化や機能評価、先天性心疾患の評価
  • 血管:動脈瘤や狭窄の評価(MRA)

利点と限界

  • 利点:高い軟部組織コントラスト、放射線被曝がない、複数方向の断面像取得が容易。
  • 限界:検査時間が長く、動きに弱い。金属があると撮像や安全性に問題が生じる場合がある。費用が高めで、救急での迅速性はCTに劣る場合がある。

注意点・禁忌

  • 心臓ペースメーカー、植込み型除細動器、一部の金属クリップや大型インプラントは強い磁場で危険となることがあるため事前に申告が必要。
  • 妊娠初期の造影剤使用は慎重に判断される。造影剤(ガドリニウム)は腎機能が重度に低下している患者で使用を避けるか慎重に行う(線維芽細胞症リスクのため)。
  • 閉所恐怖症や体格(機械に入れない体格)の問題、耳障りな騒音への対処(耳栓やヘッドフォンの使用)が必要な場合がある。
  • 検査前は金属製のアクセサリーや電子機器を外す。入れ墨や金属縫合糸もアーチファクトの原因になることがある。

検査前の準備と検査中のポイント

  • 通常は特別な絶食は不要だが、造影検査や腹部の検査では指示が出ることがある。
  • 検査中は動かないことが重要。呼吸や小さな動きでも画像がぼやけるため、息止めを指示されることがある。
  • 検査は数分〜1時間程度。検査によっては短時間で終わるシーケンスを繰り返すことがある。

最新技術と応用

近年は撮像時間を短縮する高速撮像法、高分解能化、人工知能を用いた画像再構成、拡散テンソルイメージング(DTI)や機能的MRI(fMRI)などの発展により、診断能と応用範囲が広がっています。

まとめると、MRIは軟部組織の詳細な観察に非常に有用な非侵襲的検査です。検査の目的や患者さんの状態に応じて最適なシーケンスや造影の有無を選択し、安全に配慮して行われます。