概要
マリーナ・シティは、シカゴ川の北岸、都市の中心業務地区に近い場所にある複合開発である。1950年代後半に構想され、1960年代半ばに完成したこの計画は、人々をシカゴ中心部へ呼び戻す都市生活のモデルとして考えられた。2基の円筒形タワーとその周囲の台座部は、限られたウォーターフロントの敷地に、住居、駐車場、小売、レクリエーション施設をまとめて収めるよう設計されている。
設計と構造
建築家バートランド・ゴールドバーグは、鉄筋コンクリートと円形の平面を用いることで、マリーナ・シティに非常に識別しやすい外観を与えた。各住宅タワーは多層の駐車基壇の上にそびえ、下層は主として駐車場、上層は住戸に充てられている。住戸階には花びらのように張り出したバルコニーがあり、これが施設の親しみやすい「コーンコブ(とうもろこしの穂)」のシルエットを生み出すとともに、居住者に私的な屋外空間を提供している。この構成は、従来型の直方体の高層棟よりも、垂直動線とむき出しのコンクリート形態を強調している。
施設と用途
マリーナ・シティは「都市の中の都市」として計画され、同じ敷地内に生活、仕事、余暇の機能を組み合わせた。竣工時およびその後の入居者は、住宅用の分譲および賃貸ユニット、立体駐車場、商店、レストランなど、さまざまな用途でこの複合体を利用してきた。また、劇場、フィットネス施設、河岸のマリーナといったレクリエーション設備や文化施設も含まれていた。こうした複合プログラムは、日常的な移動で自動車への依存を減らしつつ、川沿いの縁を活性化することを目指していた。
歴史と目的
このプロジェクトは、多くの人々や企業が中心市街地を離れていた都心衰退の時期に始まった。ゴールドバーグと協力者たちは、マリーナ・シティを都市再生の戦略として提案した。住宅、サービス、娯楽を職場や交通機関の近くに置くことで、人口流出を食い止め、ループ地区を再活性化しようとしたのである。資金は民間投資家と機関投資家の組み合わせから調達され、1960年代初頭の建設は、高層建築に新たな鉄筋コンクリート技術を大胆に適用した例となった。
遺産と意義
マリーナ・シティはすぐに、近代シカゴ建築の象徴となった。独特の形状、目立つ川沿いの立地、複合用途の構成は、建築家、都市計画家、一般市民の注目を集めた。開業当時、このタワー群は鉄筋コンクリートを用いた高層住宅建築の注目すべき事例だった。数十年にわたり、この複合施設はシカゴのスカイラインの中で見える存在であり続け、都市デザイン、複合開発、そして都市再生における建築の役割をめぐる議論の基準点となっている。
注目すべき点
- スカラップ状のバルコニーを備えた特徴的な円形タワーで、施設は「コーンコブ」と呼ばれるようになった。
- 住戸階の下に立体駐車場を組み込み、車両動線を基壇部に統合している。
- 都心居住と都心活動を促す、多機能な都市クラスターとして設計された。
- 20世紀半ばのモダニズム実験の例として、写真や建築研究でしばしば取り上げられる。