概要

『アーサー』は1981年のアメリカ製ロマンティック・コメディで、ニューヨーク市に暮らす、裕福で常に酔っているプレイボーイという型破りな主人公アーサー・バックを軸に、大らかなユーモアとほろ苦い感傷を融合させた作品である。脚本・監督はスティーブ・ゴードンが務め、これが監督としての唯一の長編映画となった。主演はダドリー・ムーアで、リザ・ミネリ、そしてアーサーの気苦労の多い執事であり相談相手でもある人物を演じて高く評価されたサー・ジョン・ギールグッドが共演している。

物語と主題

物語は、家族が彼の将来の財産を守るために政略結婚を取り決めた、怠惰な億万長者アーサーを追う。結婚式の前夜、彼はクイーンズ出身の地に足のついた労働者階級の女性リンダと出会い、そこで自分の未熟さと向き合い始める。笑いの源となるのは、アーサーの自滅癖や風変わりな生活、そして、彼にとって対照的な存在でありながら道徳的な中心でもある観察力のある給仕ホブソンとの関係である。ジョークの裏側では、階級差、責任、そして変化の可能性が描かれている。

キャストと登場人物

  • ダドリー・ムーア - アーサー・バック:魅力的で欠点もある主人公。機知と脆さが作品の印象を形づくる。
  • リザ・ミネリ - リンダ:アーサーの優先順位に疑問を投げかける、労働者階級の恋の相手。
  • サー・ジョン・ギールグッド - ホブソン:アーサーの執事であり感情の支え。彼の演技は大きな称賛を集めた。
  • そのほかにも、家族、社交界の人々、友人たちが登場し、アーサーの富がありながら空虚な世界を描き出している。

製作と公開

スティーブ・ゴードンは、スラップスティックな場面と人物描写を中心とした場面を組み合わせた脚本を作り上げた。本作は1981年に製作・公開され、スター俳優の演技と親しみやすいユーモアの組み合わせによって、すぐに観客の支持を得た。興行成績も好調で、米国で約9,600万ドルを稼ぎ、年間興行収入上位に入ったほか、ダドリー・ムーアを国際的な大スターへ押し上げた。

評価、受賞、影響

批評家は概して、本作の温かいトーンと、サー・ジョン・ギールグッドの際立った助演を高く評価した。アカデミー賞では複数部門にノミネートされ、最終的に2つのオスカーを獲得した。受賞したのは助演男優賞(ギールグッド)と、映画の印象的なテーマ曲に対する歌曲賞である。このテーマ曲は大衆文化の中で作品と強く結びつき、ラジオやテレビでの人気を長く支えた。時を経ても『アーサー』は、異文化的な立場の人物が巻き込まれる社会コメディと、心のこもった成長物語を組み合わせたロマンティック・コメディの代表作として語られている。

続編、リメイク、特記事項

作品の成功により、半世紀足らず後に続編が制作され、さらに後年にはリメイクも登場した。スティーブ・ゴードンが再び映画を監督することはなく、彼は1982年に死去した。後続作や再解釈の評価は分かれたが、オリジナルの『アーサー』は、演技とコメディ、哀感の混ざり合いによって、今もたびたび言及される。

参考情報と資料

製作メモ、批評エッセイ、配役一覧、アーカイブ資料については、以下のリンクを参照。