メシエ81(別名:NGC3031、ボーデ銀河)は、渦巻き型銀河で、北天の春の代表的な天体の一つです。位置はおおぐま座にあり、地球からの距離は約1200万光年(約3.7メガパーセク)と見積もられています(文献によって多少の差があります)。見かけの明るさが比較的強く、また物理的にも大きな銀河であるため、研究・観測の対象として広く知られています。核には活発なエネルギー放射を行う、いわゆる活動銀河核(中心にある超巨大ブラックホールを含む)が存在し、低光度ながらX線や電波で変動することで注目されています。
特徴
メシエ81は典型的な「グランドデザイン」渦巻銀河で、明るい中心核とはっきりした渦巻腕を持ちます。見かけの視直径は数十分角(およそ26′×14′程度)で、物理的な直径はおよそ9万光年前後とされます。核の活動は低光度のAGN(LINERや弱いSeyfertに類する性質)と分類されることが多く、中心に位置する超巨大ブラックホールの質量は推定で数千万太陽質量オーダー(おおむね7×10^7太陽質量程度とする研究が多い)です。
また、近傍の銀河群(メシエ81群)の主要メンバーであるため、近接する銀河(特にメシエ82=M82やNGC3077)との重力相互作用による潮汐尾やガスの橋が観測されており、これが星形成活動や渦巻構造の形成・進化に影響を与えていると考えられています。1993年にこの銀河で起きた超新星 SN 1993J はタイプIIbとして詳細に観測され、超新星研究に重要なデータを残しました。
観測と研究の歴史
この天体は1774年にヨハン・エラート・ボーデが最初に発見し、「ボーデ銀河」と呼ばれることがあります。その後1779年にピエール・メシャンとシャルル・メシエがボーデの天体を再確認し、メシエ天体のうちの一つとしてカタログにメシエ81として掲載しました。以来、可視光から電波、赤外、X線に至る多波長で詳細に観測され、銀河の構造、中心核の物理、星形成履歴、近隣銀河との相互作用など多くの研究が行われています。
観測のポイント(アマチュア向け)
メシエ81は明るさと大きさのため、良好な条件下では双眼鏡でも淡く確認でき、小口径望遠鏡から中口径望遠鏡で渦巻構造や核の存在を楽しめます。春(北半球の晩冬〜春)に高度が高くなり観測に適します。詳しい観察を行う際は光害の少ない場所を選び、長時間露光の写真撮影や多波長(赤外やHαなど)撮像で渦巻腕や星形成領域を捉えると、より豊かな構造が見えてきます。
メシエ81はその明るさ、近さ、そして核活動や近隣銀河との相互作用といった多様な研究対象性により、天文学者だけでなく、アマチュア天文家にも長年にわたり人気のある天体です。


