メシエ84(NGC 4374)— おとめ座のレンズ状銀河、中心ジェットと超大質量ブラックホール
メシエ84(NGC4374)—おとめ座のレンズ状銀河。中心から噴き出す双極ジェットと高速回転円盤が示す150億太陽質量級の超大質量ブラックホールを解説。
メシエ84(別名:NGC 4374)は、おとめ座に位置する銀河で、形態についてはレンズ状銀河(S0)と分類されることもあれば、扁平な楕円銀河(E1)として扱われることもある天体です。M84は、密集した銀河群であるおとめ座銀河団の内側領域にあり、近隣にはM86やM87などの大型銀河が存在します。地球からの距離はおよそ55百万光年(約17 Mpc)と見積もられており、明るさは肉眼では見えないものの小口径のアマチュア望遠鏡でも観測可能です。
構造と物理的特徴
M84は中心付近にダストやイオン化ガスを含む比較的薄い円盤構造を持ち、これが可視光やスペクトル観測で確認されています。銀河全体は大きな恒星集団で満たされ、恒星の運動やガスの速度分布から質量分布や中心領域の力学が研究されています。形態面ではディスク状特徴と楕円的な外郭が混在しており、分類にはやや曖昧さが残ります。
中心核の活動とジェット
電波観測や可視光での高解像度観測により、M84の中心からは双方向のジェットが伸びていることが確認されています。特にハッブル宇宙望遠鏡の高解像度画像やスペクトル観測により、中心部に高速で回転するガス円盤と、局所的に活動的な核が存在することが明らかになりました。これらは、中心に活動的な核天体(アクティブ銀河核、AGN)があることを示唆します。M84は比較的低光度のラジオ銀河/LINERタイプの核活動を示す例として扱われることが多いです。
超大質量ブラックホール
中心の円盤状ガスの回転速度を精密に測定することで、中心に非常に大きな質量が集中していることが導かれました。観測結果から、その質量はおよそ1.5 × 109M ☉と推定され、約15億太陽質量に相当すると考えられています。これらの動的証拠は、銀河中心に存在する超大質量ブラックホールの存在を強く支持するものです。超巨大ブラックホールが関与することで、周囲のガスや星の運動が影響を受け、局所的なジェットや放射が生じていると考えられます。重力があることがわかります。
観測上のポイントと歴史
- M84はおとめ座銀河団の一員として長年研究され、特に中心核の活動と超大質量ブラックホールの質量推定の対象として注目されてきました。
- 電波・光学・スペクトル観測の組み合わせにより、核周辺のガス運動やジェットの構造が詳細に明らかになっています。
- アマチュア天文では、M84はM86と近接して見えるため、同一視野で観測されることが多く、淡い尾や外郭構造の観察が楽しめます。
まとめると、メシエ84(NGC 4374)はおとめ座銀河団の内側にある典型的な早期型銀河であり、中心に超大質量ブラックホールを抱え、局所的なジェットと回転するガス円盤を備えていることが多波長観測から示されています。これらの特徴は銀河進化や核活動の研究において重要な手がかりを提供します。

HSTによるメシエ84核
歴史
1781年、シャルル・メシエが夜空の「星雲のような天体」を探したところ、メシエ84を発見した。メシエ天体カタログの84番目に掲載された天体です。
超新星
M84では、SN1957とSN1991bgという2つの超新星が観測されている。3つ目の超新星SN1980IはM84の一部か、あるいは近隣の銀河NGC4387やM86の一部である可能性があります。
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