百万長者は、一般に、総資産から負債を差し引いた 純資産 が、ある通貨の100万単位以上に達する人と定義されます。通常の用法では、最も多く 米ドル を指しますが、ユーロ、ポンド、円、その他の通貨にも同様に当てはめることができます。純資産は、現金や預金残高などの流動資産、株式市場に保有する持ち高のような金融資産、そして不動産のような非金融資産をまとめ、そこから住宅ローンや借入金などの負債を差し引いた、ある時点でのスナップショットです。
計算と構成要素
百万長者であることは、年収ではなく、蓄積された富を指します。純資産を見積もる際によく含められる構成要素は次のとおりです。
- 流動資産:現金、貯蓄、短期預金。
- 投資:上場株式、債券、投資信託、退職口座。
- 不動産:自宅および投資用不動産の価値から、住宅ローンを差し引いたもの。
- 事業持分:非上場企業やパートナーシップにおける持ち分。
- 収集品やその他の有形資産。担保付き債務があれば、それを差し引いた後の価値。
組織によって適用する基準は異なります。投資可能資産のみを数え、主たる住居を除外する富裕度調査もあれば、より広い調査では総純資産を用いるものもあります。為替レートとインフレは、100万単位という金額の実質的な価値を時間とともに変化させるため、ある通貨での百万長者が、国際的に見て常に同じ購買力を持つとは限りません。
用語の違い
関連用語は、富の規模の違いを表します。マルチミリオネアは、純資産が複数百万通貨単位ある人を指す非公式な表現で、下限は文脈によって変わります。金融機関では、high-net-worth individual (HNWI) を、少なくとも100万ドル、または同等額の投資可能資産を持つ人を意味する用語として使うのが一般的です。銀行や資産運用会社は、ultra-high-net-worth (UHNW) を、さらに大きな資産、通常は数千万ドル規模からの個人を指すのに用います。さらに上位では、ビリオネアは少なくとも10億通貨単位の資産を持つ人です。
分布と著名な例
百万長者の人数と集中度は、経済成長、資産価格の変動、為替レートによって変化します。いくつかの世界的な富裕度報告では、2020年半ばの時点で、世界全体に米ドル換算の百万長者が数千万規模いると推計されました。たとえば、特定の調査では、その時期の世界の米ドル百万長者は約1300万人とされ、そのかなりの割合が米国に住んでいました。一部の報告では、アメリカ と略して呼ばれる米国が、こうした人々の数百万人分を占めており、ニューヨーク のような大都市は、富裕層住民の絶対数が特に多い都市としてしばしば上位に挙げられます。金融センターや小規模な管轄区域は、人口比で見た富裕層の集中度が高い例として注目されることもあります。たとえば、ジュネーブ は、人口に対する富裕層の密度が高い都市としてしばしば引用されます。
歴史と社会的背景
「百万長者」という語が社会的に目立つようになったのは、産業化、資本市場の拡大、国際 व्यापारの発展によって、より多くの人がかなりの私的資産を蓄積できるようになったためです。時代が進むにつれ、この語は、かつてはきわめて稀な富のしるしだったものから、多くの先進経済ではより一般的な基準へと変化しました。ただし、何をもって「裕福」とみなすかは、文化、時代、地域の生活費によって異なります。
経済的・政策的な意味
百万長者の人数は、不平等、課税、資産の流動性について論じる際に、アナリスト、政策立案者、論者によって利用されます。この分類は金融サービスの市場ターゲティングに影響し、累進課税、資産報告、公共政策をめぐる議論にも関わります。たとえば、自宅を含めるかどうか、非上場企業の持分をどのように評価するかといった方法論の違いは、情報源ごとに異なる推計を生みます。そのため、数値を比較する際には、富裕度報告や国の統計にある方法論の説明を確認することが重要です(資産と富)。
参考情報
技術的な定義、最新の推計、地域別の内訳については、公表された富裕度調査、中央銀行や統計機関のデータ、民間の富裕研究会社が作成した報告書を参照してください。これらの情報源は対象範囲や方法が異なるため、複数の報告を照合することで、世界および地域における百万長者の分布をより明確に把握できます。
上で紹介した主要用語である 純資産、米ドル、株式市場、資産と富、アメリカ、ニューヨーク、ジュネーブ は、専門的な資料でより詳しい議論への入口となります。