モデムとは?インターネット接続の仕組み・種類(DSL/ケーブル/ダイヤルアップ)
モデムとは何か、仕組みからDSL・ケーブル・ダイヤルアップの違い、外付け/内蔵タイプや速度比較までわかりやすく解説
モデム(由来:変調器復調器)は、コンピュータのハードウェアの一部で、遠く離れた機器同士が通信するための中継点になります。一般に通信には2台のモデムが必要で、それぞれが相手のモデムとデータを送受信する役割を果たします。モデムは送信側でデジタル信号を回線に適した形に変換(変調)し、受信側で元のデジタル信号に戻す(復調)機能を持ちます。
変調と復調(モデムの基本動作)
- 変調とは、コンピュータのデジタルデータをアナログデータ(音声の音色や音)に変えて、電話回線を介して送信することです。
- 復調とは、電話回線で受信したアナログデータをコンピュータで使用するデジタルデータに変更することです。
もう少し技術的に言うと、変調はデジタル信号を搬送波(キャリア)に重ねて送る処理で、振幅、周波数、位相などを変化させて情報を載せます。復調はその逆で、受信した信号から元のビット列を取り出します。実際のモデムは誤り訂正や圧縮、信号検出のための付加処理も行います。
モデムの種類(主な接続方式)
- ダイヤルアップモデム:伝統的に電話回線を使う方式で、最大で56,000ビット/秒(56kbps)程度が理論上の上限です。過去には広く使われましたが、現在はブロードバンドの普及で利用が減っています。ダイヤルアップモデムは、20世紀には一般的でした。
- DSL(電話線を使うブロードバンド):同じ電話線でも信号帯域を分けることで高速通信を可能にした方式です。ADSLやVDSLなどの規格があり、下り速度・上り速度は契約や距離によって変わります。一般にダイヤルアップよりも数倍〜数百倍速く、家庭向けブロードバンドとして普及しました。DSLモデムは現在でも多く使われています。
- ケーブルモデム:ケーブルテレビ網を使ってインターネット接続を提供する方式で、DOCSISなどの規格が使われます。複数世代(DOCSIS 3.0 / 3.1 / 4.0 等)によって対応速度が上がり、家庭向けに広帯域のサービスを提供します。ケーブルモデムは高速ですが、同じ地域の加入者で帯域を共有するため時間帯によって速度が変動することがあります。
- 光回線(FTTH / ONT):光ファイバーを使う接続では、末端の装置(ONT:光回線終端装置)が光信号を電気信号に変換します。従来の「モデム」とは技術的に異なりますが、ISP側から見れば利用者側の「回線終端装置」としての役割を果たします。光回線は非常に高い帯域と低遅延が特徴です。
- 無線・衛星モデム:携帯通信(3G/4G/5G)に接続するためのセルラーモデムや、宇宙からの通信を使う衛星モデムもあります。これらは固定回線が届かない場所での接続手段として有効です。
外付けモデムと内部モデム
コンピュータにケーブルで接続するタイプのモデムは「外部モデム」と呼ばれ、外箱にLEDや電源、モジュラージャック、Ethernetポート等を備えています。コンピュータ内部に組み込まれるものは「内部モデム」と呼ばれ、マザーボードのスロットに挿すタイプやPCカード(ノート向け)があります。現在の家庭用では多くのDSLモデムやケーブルモデムが外付け機器として提供され、さらにルーター機能(Wi‑FiやNAT)を内蔵した「モデム兼ルーター」の形態も一般的です。
速度と性能の見方
モデムの性能は、一定時間に送れるデータ量で分類され、通常は1秒あたりのビット数(bit/s、bps)で表します。古いダイヤルアップは数十kbps、DSLやケーブルは数Mbps〜数百Mbps、光回線は数百Mbps〜Gbpsの実効速度を提供することが多くなりました。モデムの世代(例:DOCSISのバージョンやDSLの規格)や回線品質、利用者数、プロバイダの設定などによって実際の速度は大きく変わります。また「レイテンシ(遅延)」も用途によって重要で、オンラインゲームや音声通話では低遅延が求められます。
モデムとルーターの違い
モデムは物理的・論理的にプロバイダの回線とローカルネットワークをつなぐ装置である一方、ルーターは複数の機器間でIPパケットを転送し、ネットワーク間の経路決定やNAT(プライベートIP→グローバルIPの変換)、ファイアウォール、Wi‑Fiアクセスポイントなどの機能を持ちます。家庭用の機器では「モデム+ルーター」が一体化したゲートウェイ型の装置が多く、見た目は1台ですが内部では両方の役割を兼ねています。
接続の仕組み(認証と設定)
ISP(インターネットサービスプロバイダ)に接続する際、モデムやルーター側で以下のような方式が使われます。
- PPPoE(PPP over Ethernet):ユーザー名/パスワードで認証する方式。DSLで多く使われました。
- DHCP:プロバイダから自動的にIPアドレス等を取得する方式。ケーブルや光回線で一般的です。
- 固定IP:契約によって固定のIPアドレスが割り当てられる場合。
モデムはこれらの認証・取得プロセスを通じてISPのネットワークに接続し、初めてインターネット上の通信が可能になります。
トラブルシューティングの基本
- 電源・ケーブル確認:電源やモジュール接続(電話線、同軸ケーブル、光ケーブル、Ethernet)をまず確認します。
- LEDの状態確認:電源、リンク、データ送受信、オンライン状態などのLEDインジケータをチェックします。
- 再起動:モデム/ルーターの電源を切って数十秒待ち再投入することで多くの一時的な不具合は解消します。
- フィルターや分岐:DSL回線では電話機との分岐にフィルターが必要な場合があります。配線ミスや古いケーブルも原因になります。
- プロバイダ確認:障害情報やメンテナンス情報をISPのサイトで確認します。回線側の問題であることも多いです。
歴史的な動向(ダイヤルアップからブロードバンドへ)
多くのモデムは、電話サービスやケーブルテレビサービスを利用してインターネットに接続するために使用されてきました。遅い電話サービスはダイヤルアップ(最大56,000ビット/秒)と呼ばれています。より速い電話サービスはDSLと呼ばれ、通常はダイヤルアップの10倍以上の速度を出すことが多く、ケーブルモデムはケーブルテレビを介して同様に高速な接続を提供します。
2006 年の CEA の調査によると、米国ではダイヤルアップインターネットアクセスが減少傾向にあることが明らかになりました。2000 年には、ダイヤルアップインターネット接続は米国の家庭用インターネット接続全体の 74% を占めていました。この減少は、カナダとオーストラリアでも多かれ少なかれ反映されています。
米国でのダイヤルアップ・モデムの使用率は 2003 年までに 60% にまで低下し、2006 年には 36% にまで低下しました。ボイスバンドモデムは、かつて米国で最も人気のあるインターネットアクセス手段でしたが、より高速なインターネットアクセス方法を採用する家庭が増えるにつれ、従来の 56K モデムは人気を失いつつあります。
現在では、固定回線のブロードバンド(DSL、ケーブル、光)やモバイル回線(4G/5G)、衛星インターネットといった高速な接続手段が普及し、用途や設置環境に応じて最適なモデム/終端装置が選ばれています。
質問と回答
Q:モデムとは何ですか?
A:モデムは、離れたコンピュータ間で通信するために使用されるコンピュータ機器です。コンピュータからのデジタルデータを電話回線で送れるアナログデータ(ビープ音やトーン)に変調し、電話回線で受け取ったアナログデータをコンピュータで使えるようにデジタルデータに復調する仕組みです。
Q:モデムはどのように分類されるのですか?
A:モデムは、接続方法と一定時間内に送信できるデータ量によって分類され、通常は1秒あたりのビット数(bits/sまたはbps)で測定されます。
Q:外部モデムと内部モデムとは何ですか?
A: 外付けモデムはケーブルでコンピュータに接続され、内蔵モデムはPCカードまたはマザーボードの一部としてコンピュータの内部にあります。
Q:普段、モデムを使ってどのようにインターネットに接続しているのですか?
A:インターネットには通常、ダイヤルアップと呼ばれる低速の電話サービス(56,000ビット/秒以下)、DSLと呼ばれる高速の電話サービス(通常ダイヤルアップの10倍以上)、ケーブルモデムによるケーブルテレビサービス(同様に高速)などでアクセスすることになります。
Q: 2006年、米国におけるダイヤルアップインターネットアクセスのエビデンスはどうでしたか?
A:2006年、米国の家庭におけるインターネット接続のうち、ダイヤルアップ接続が占める割合は36%で、2000年の74%から増加していることが明らかになりました。この減少は、カナダやオーストラリアでも同じように見られます。
Q:従来の56Kモデムの人気が落ちているのはなぜですか?
A: DSLやケーブルTVサービスなど、より高速なインターネットアクセス方法を採用する家庭が増えるにつれ、従来の56Kモデムは、現在利用できる他の方法よりも遅いため、人気がなくなってきているのです。
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