概要
マウンテンは、1960年代後半にギタリスト兼ボーカリストのレスリー・ウェストを中心にまとまった、アメリカのハードロックバンドである。グループ名は、ウェストの1969年のソロ・アルバム『Mountain』と、彼の大柄な体格に由来する。プロデューサー兼アレンジャーのフェリックス・パパラルディは、ウェストのソロ作を手がけたのち、ベーシスト兼コ・ボーカリストとしてこの計画に加わった。初期の編成にはキーボードのスティーヴ・ナイトとドラマーのN.D.スマートがいたが、のちにドラマーのコーキー・レイングがスマートに代わって加入し、バンドのライブでの推進力を形づくった。
音楽的特徴
マウンテンの音楽は、ブルースに根ざしたソングライティングと、重厚なリフ中心のアレンジを組み合わせたものだった。レスリー・ウェストの太く長く伸びるギターの音色と、パパラルディの旋律的な低音が密度の高い音の土台を作り、コーキー・レイングの推進力のある演奏はバックビートの力強さを際立たせた。楽曲は、端的なロック・シングルから、ダイナミクスや時折のオーケストレーションで対比をつけた長めの雰囲気重視の作品まで幅広い。のちに批評家や音楽家は、彼らのサウンドの一部を初期ヘヴィメタルや関連サブジャンルに影響を与えたものとして語っている。
歴史と録音
バンドはウェストのソロ活動から発展し、早い段階で、その初期の強烈さを捉えた一連のアルバムを録音した。ブレイクスルーとなった『Climbing!』(1970年)にはシングル「Mississippi Queen」が収録され、これが彼らの代表曲となり、クラシック・ロックのラジオで定番となった。ほかの初期スタジオ作品には、『Mountain』(バンド名の由来となったウェストのソロ・アルバム)、『Nantucket Sleighride』、『Flowers of Evil』がある。グループは1970年代以降、解散と再結成を何度も繰り返した。1983年のフェリックス・パパラルディ殺害はバンド史の悲劇的な一章となり、レスリー・ウェストは2020年に亡くなるまで、さまざまな編成で演奏を続けた。
代表曲と代表作
- Mississippi Queen — 長く愛されるシングルであり、ライヴの定番曲。映画、テレビ、さらにRock BandやGuitar Hero IIIなどのリズムゲームにも使用された。
- Climbing!(1970年)— 彼らを一般層に広く知らしめたアルバム。
- Nantucket Sleighride(1971年)— 編成を広げたアレンジと、バンドの幅を示す長めの曲で構成される。
遺産と影響
マウンテンは、大音量のギター中心のアレンジと、筋肉質なリズム・ワークを重視したことから、ヘヴィロックやプロトメタルの形成期における影響源としてしばしば挙げられる。短くまとまった楽曲と、時に展開する長いジャムは、その後のハードロック、ストーナーロック、メタル系アクトにも影響を与えた。メンバー構成は何十年にもわたって変化したが、「Mississippi Queen」のような録音は再発盤、コンピレーション、現代メディアでの使用を通じて文化的な存在感を保ち続けており、バンドのサウンドは新しい聴衆にも認識されている。
補足
このグループの起源は、1960年代後半のロック・シーン全体と結びついている。フェリックス・パパラルディは同時代のほかの著名アーティストの作品でもプロデューサー兼アレンジャーとして活動しており、一部の観察者は、当時のブルース・ロックやサイケデリックの動き、さらにCreamのようなバンドが関わった時期の英国・米国ロックの流れとの関連を指摘している。マウンテンのレコードやライヴ録音は、ヘヴィ・ミュージックの発展に関心を持つファンや歴史家のあいだで、今も収集・議論されている。