概要
地図帳は、空間情報を示す地図製品を体系的にまとめた集成である。伝統的な地図帳には、海岸線、標高、政治的境界を示す地図が収められる一方、現代のものは印刷物として提供されるほか、対話型のマルチメディアアプリケーションとして利用されることもある。地図帳は一般に、地理的な地物、交通網、主題別データセットを提示する。
典型的な内容と形式
多くの地図帳には、地図のほか、凡例、縮尺、索引、解説などの補助資料が含まれる。代表的な種類は次のとおりである。
- 一般参考地図帳(世界、国、地域)
- 気候、人口、経済などに焦点を当てた主題地図帳
- 時間経過に伴う変化を示す歴史地図帳
- データ層や検索機能を統合したデジタル・対話型地図帳
歴史と発展
地図を一冊の冊子にまとめるという発想は、数世紀前までさかのぼる。印刷された書物としての地図帳は、製図と印刷技術の発達により、近世初期に広く普及した。やがて地図帳は、銅版による刷り物から多色刷りへ、さらに地理参照情報を備えたデジタル集成やウェブ地図サービスへと発展した。
用途と例
地図帳は、ナビゲーション、教育、計画、研究に役立つ。都市計画担当者は交通や土地利用の検討に地図帳を参照し、疫学者は疾病流行の追跡に地図化されたデータを用いる。経済学者や人口学者は、社会経済統計の把握に地図帳の表や地図を利用する。学校用地図帳は、今も標準的な教材である。
数学における地図帳
数学では、地図帳は別の意味をもつ。すなわち、位相多様体を覆う座標チャートの集まりである。各チャートは多様体の一部をユークリッド空間の領域へ写し、重なり合う部分における規則(遷移写像)が、幾何学や理論物理学で用いられる滑らか構造や解析構造を決定する。
特徴と注目点
ばらばらな地図の寄せ集めとは異なり、地図帳は全体の整合性を重視して編集される。すなわち、投影法、縮尺、索引体系が統一される。現代の地図帳では、データの重ね合わせ、対話性、地理的文脈と主題統計を結びつける機能が重視される。今日では多くの地図帳が、従来の地図作成とGIS由来の分析を組み合わせ、意思決定や公共情報の提供を支えている。
より専門的な表現としては、ナビゲーション用の地図、主題別地図集、そして新しいデータや利用者の検索に応じて更新される対話型オンライン地図帳が挙げられる。