ノヴァヤ・ゼムリャとは?ロシア北極群島の地理・歴史・核実験
ノヴァヤ・ゼムリャの地理・歴史・冷戦期の核実験を詳解。ツァール爆弾投下や島の自然・住民史も網羅した決定版ガイド。
ノヴァヤ・ゼムリャ(Novaya Zemlya、ロシア語: Но́вая Земля́)は、ロシアの北、ヨーロッパの極北東部にある北極海の群島である。群島は大きく北の島(ロシア語でSeverny、Северный島)と南の島(Yuzhny、Южный島)からなり、バレンツ海とカラ海を隔てている。両島の間は幅の狭いマトーチキン海峡(マトーチキン海峡)で隔てられ、群島全体の南北長は約900kmに達する。位置はおおむね北緯約71度から77度にかけてで、北極圏の北側に張り出している。永久居住者は少なく、現在の人口は約2716人で、その大部分(約2622人)は南部島の行政中心地である町ベルーシヤ・グバ(Belushya Guba)に集中している。
地理と地質
ノヴァヤ・ゼムリャはウラル山脈の北方への延長に位置し、全体としては山岳がちの地形を示す。北の島は高地と深い谷、そして多くの氷河を持ち、特に西側・中央部に氷河地形が発達している。一方、南の島は標高が比較的低く、海岸近くには広い平坦地や湿地、ツンドラが広がる。
岩石は古生代から中生代にかけての堆積・変成岩や火成岩が主体で、氷河作用と海食で形成された複雑な地形が見られる。
気候・自然環境
気候は典型的な高緯度海洋性亜寒帯から寒帯の性質を示す。冬は長く厳しく、海は一部季節的に氷で覆われる。夏は短くても日照の長い時期があり、植物相は主にツンドラ植生と極めて限られた草本・コケ類で構成される。
野生動物としては、シロクマ(ホッキョクグマ)、アザラシ、セイウチ、イワトビペンギンは生息しないが海鳥類が豊富で、渡り鳥の中継地にもなっている。かつてはトナカイ(野生のカリブー)や沿岸の海洋生物資源を利用する狩猟文化も見られた。
歴史
この地域は古くからロシア北部の住民や狩猟民に知られており、11世紀にはすでにノヴゴロドの狩猟者・海洋民が訪れていたとされる。18世紀以降の北方航路探索や地図作成でヨーロッパでも地理的に認識されるようになった。
近代以降は軍事・戦略上の重要性が高まり、ソ連時代には北極圏における拠点として人員や施設が置かれた。
核実験場としてのノヴァヤ・ゼムリャ
1954年7月、ノヴァヤ・ゼムリャは公式に試験場(ノバヤ・ゼムリャ試験場)に指定され、冷戦期を通じてソ連の核実験場として使用された。1950年代後半から1960年代にかけては大気中核実験が多数実施され、その後も地中・海中での実験が行われた。1961年にはツァール爆弾が列島で実験的に炸裂した。ツァール爆弾が(正式名AN602)は1961年10月30日に同列島で投下・起爆され、公式の公開数値では約50メガトン(Mt)とされるが、設計上はさらに大きな出力(約100 Mt)も想定されていた。ツァル爆弾は、50 Mt.の史上最大の核爆弾であった。 対照的に、米国で製造された最大級の兵器であるB41の推定最大収量は25 Mt程度とされる。
これらの核実験は放射性降下物や環境への影響をもたらし、実験当時は周辺住民の避難や影響の調査が行われた。部分的な大気核実験禁止条約(1963年)以降、直接の大気中実験は減少し、後に多くが地下実験へ移行した。
環境影響と保護の取り組み
核実験の長期的影響、特に地表や海洋への放射性物質の拡散は研究対象になっている。ソ連崩壊後は現地での環境モニタリングや一部区域の保護が進められており、保全措置や科学調査が行われている。島は人跡まばらな地域が多く、野生動物や生態系の保全が重要視されている。
行政・人口・アクセス
- 行政区分:ノヴァヤ・ゼムリャはロシア連邦のアルハンゲリスク州に属し、独自の地域行政区分が設けられている。
- 人口:常住人口は非常に少なく、多くは軍事・研究・行政関係者およびその家族。代表的な集落は南部のベルーシヤ・グバ。
- アクセス:一般の観光客が自由に訪問できる場所ではなく、訪問には許可が必要。夏季には北極圏クルーズや専門のツアーで周辺海域から観光する手段があるが、上陸や内陸部への立ち入りは制限されることが多い。
まとめと現在の意義
ノヴァヤ・ゼムリャは北極圏における地理的・歴史的に重要な群島であり、冷戦期の核実験場としての負の遺産を抱える一方で、独特の北極生態系と地形を持つ地域でもある。現在は環境保護や科学調査の対象となりつつあり、軍事的・科学的な戦略拠点としての役割も続いている。

ノバヤ・ゼムリャ
質問と回答
Q:ノバヤゼムリャはどこにあるのですか?
A: ノバヤゼムリャは、ロシアの北、ヨーロッパの最北東に位置する北極海にあります。
Q: 列島は何からできていますか?
A: バレンツ海とカラ海を隔てる北島と南島で構成されています。
Q: ノバヤゼムリヤの長さは?
A:両島を合わせると約900kmになります。
Q: ノバヤゼムリャの島々には何人の人が住んでいますか?
A:現在、2716人が住んでおり、そのうち2622人が南島の首都ベルーシャグーバに住んでいます。
Q: ロシア人がノバヤゼムリャのことを知ったのはいつ頃ですか?
A: ロシア人がノバヤゼムリャを知ったのは、11世紀にノヴゴロドの猟師がこの地を訪れたときからです。
Q: 冷戦時代、ノバヤゼムリャは何に使われていたのですか?
A: 1954年7月、ノバヤゼムリャはノバヤゼムリャ実験場に指定され、冷戦期を通じて実験場として使用されました。
Q: ツァーリ・ボンバの意義は何ですか?
A: 1961年、ノバヤゼムリャにツァーリ・ボンバが投下され、50Mtという史上最大の核爆弾が投下された場所となりました。一方、米国が製造した史上最大の兵器、現在廃盤となっているB41の予測最大収量は25Mt.でありました。
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