概要

Nupediaは、英語のオンライン百科事典で、記事はボランティアによって執筆され、専門家による査読を経て公開されました。コンテンツはオープンで、ライセンスされており、ジミー・ウェールズラリー・サンガーによって設立され、2000年3月から2003年9月まで運営されました。一般には、主にウィキペディアの前身、あるいは前段階のプロジェクトとして知られています。

運営と査読プロセス

Nupediaはwiki方式ではなく、各記事に対して慎重で厳格な査読プロセスを設けていた点が特徴でした。記事は専門分野の知識を持つ執筆者が作成し、さらに査読者や編集者による確認・校正を受けることで、従来の紙版百科事典と同等の品質を目指していました。こうした多段階の査読は、信頼性の高い記事を生む一方で、作成から公開までに長時間を要するという制約がありました。

ウィキペディアとの関係

Nupediaの運営過程で、より迅速に記事を作成・編集できる仕組みとして2001年に始まったのがウィキペディアです。ウィキペディアは自由に編集できるwikiを採用したため、多くのボランティアが短期間で多数の記事を投稿し、コミュニティが急速に拡大しました。結果として、Nupediaの草稿や執筆の試みがウィキペディアに流入することが多く、ウィキペディアが事実上の中心的プロジェクトとなっていきました。

衰退と終了

Nupediaは査読の厳格さゆえに記事完成までに時間がかかり、参加者数も限られたことから活発さを欠くようになりました。正式なレビュールーチンを完了して公開された記事は閉鎖前に25件にとどまるなど、期待された規模には到達しませんでした。こうした理由から、プロジェクトは次第に縮小し、2003年9月に事実上終了しました。

評価と遺産

2008年6月、CNETは「Nupediaはインターネットの歴史上、最も偉大な閉鎖されたウェブサイトの1つである」と評しました。Nupediaは短命に終わりましたが、以下の点で重要な遺産を残しました:

  • 専門家による査読とオープンコンテンツという理念を示したこと。
  • ウィキを用いた迅速な共同編集の必要性を浮き彫りにし、ウィキペディアの成長に間接的に寄与したこと。
  • オンライン百科事典における品質管理と参加のバランスについての議論を促したこと。

関連事項

Nupediaは、従来型の査読とオープン共同編集という二つのアプローチを比較検討する上で重要な事例です。学術的信頼性を重視する立場と、迅速な情報更新・広い参加を重視する立場のどちらを採るかは、現在でもウェブ上の知識共有における中心的なテーマのひとつです。