パントマイム(一般に panto と略される)は、英国やいくつかの英語圏で人気のある音楽コメディ劇の一形態で、特にクリスマスから新年にかけて上演される。家族向けの娯楽として、歌、ダンス、スラップスティック、時事ネタ、観客とのやり取りを組み合わせる。なお、静かな身ぶりだけで演じる mime とは異なり、パントマイムは台詞、音楽、声のコメディをふんだんに用いる。

形式と特徴

パントマイムは通常、よく知られたおとぎ話や児童文学を土台にしながら、現代的な言及やコメディの見せ場を加えて作られる。大げさな身体表現を、成人向けのウィットに富んだ一言や脇道のギャグと組み合わせることも多い。代表的な要素には、派手な場面転換、耳に残る歌、振り付けつきのナンバー、そして意図的にばかばかしく見せる演出がある。

  • 定番の登場人物: 主人公(しばしば principal boy と呼ばれる)、誇張された女性衣装のコメディ役 dame(男性俳優が演じることが多い)、悪役、道化や相棒といった反復的な役柄。
  • 女装・男装: 伝統的に principal boy は若い女性が演じ、dame は男性が演じる。この性別の入れ替え自体が、ジャンルの笑いの一部になっている。
  • 観客参加: 観客は登場人物に向かって叫び声やブーイング、歓声を返すよう促される。代表的な掛け合いには「He’s behind you!」や、「Oh no it isn’t!」/「Oh yes it is!」のやり取りがある。
  • 時事性: 台本はしばしば最新の出来事、著名人のカメオ出演、地元ネタを取り入れて更新され、何度も観に来る観客にも新鮮さを保つ。

典型的な物語と配役

上演作品は、たとえばシンデレラ、アラジン、ジャックと豆の木、眠れる森の美女、ピーターパンなどの物語に基づくことが多い。現代の公演では、より幅広い観客を呼び込むために、テレビで知られる人物、ポップスター、地元の有名人を起用することが多いが、アマチュア団体とプロの劇団のどちらも、伝統的な版を上演し続けている。

起源と発展

現代の英国パントマイムは、いくつかの古い演劇形式から発展した。イタリアの commedia dell’arte と英国の harlequinade の要素が登場人物やコメディの決まり手をもたらし、このジャンルは18世紀と19世紀を通じて、今日知られる家族向けのスペクタクルへと形づくられた。時代が進むにつれ、パントマイムは大衆音楽、舞台効果を高める演劇技術、そして観客を巻き込む遊び心ある英国的感覚を取り込んでいった。

観客と文化的役割

パントマイムは本来、同じ公演で子どもと大人の双方に訴える家族向け娯楽として構想されている。多くの作品は主に子ども向けだが、含みのある言い回しや時事ユーモアが入ることで、大人向けの要素もしばしば用意される。英国とアイルランドでは、パントマイムは強い季節行事となっており、オーストラリア、ニュージーランド、また英国の演劇習慣が根付いた他地域でも、似た形式が上演されている。