準系統(パラフィリー・傍系統群)とは?定義と鳥類を例に解説

準系統(パラフィリー・傍系統群)の定義と意義をわかりやすく解説。鳥類を例に起源や分類の違い、単系統との関係まで図解で理解。

著者: Leandro Alegsa

Paraphyly(パラフィリー・準系統、傍系統群)とは、分類学上の用語で、ある祖先とそのすべての子孫を含まないグループを指します。平たく言えば「祖先は同じでも、その子孫の一部を除外しているグループ」です。たとえば、伝統的に「爬虫類」と呼ばれるグループは、鳥類を除外すると準系統になります。現生の鳥は明らかにであり、研究によって鳥が古生類、さらには小型の獣脚類恐竜の子孫(鳥類の起源)であることが示されているため、Sauropsidaは傍系となるのです。

準系統の重要な特徴は、「欠けている子孫(後代)を含めれば単系統に修正できる」という点です。言い換えれば、準系統群は祖先と一部の子孫を集めたもので、除外されている子孫を加えれば(分類の範囲を広げれば)より大きな単系統群になります。したがって系統学(クラドグラム)では単系統(モノフィレット)が理想とされ、準系統や多系統(ポリフィレット)は注意して扱われます。従来の形態に基づく分類は、実用性や見かけの類似性に基づくことが多く、結果として傍系群や多系統群を含むことがよくあります。

  • 単系統(monophyly):ある祖先とそのすべての子孫を含む群。例:哺乳類(祖先と全子孫を含めば単系統)。
  • 準系統(paraphyly):祖先は含むが、子孫の一部を除外する群。例:伝統的な「爬虫類」(鳥類を除く)や「魚類」(四肢動物を除く)。
  • 多系統(polyphyly):共通の最近の祖先を含まないが、類似形質でまとめた群。例:翼を持つ動物を一まとめにするような分類(鳥類・コウモリ・昆虫の翼を一群にする)。

具体例をさらに挙げると:

  • 「魚類」:多くの古典的分類では、魚は単一のまとまった系統ではなく、陸上脊椎動物(四肢動物)を除外しているため準系統または多系統とされます。四肢動物を含めれば「脊椎動物」の一部として単系統になります。
  • 「恐竜」:伝統的に「恐竜」と「鳥類」を別扱いにすると恐竜は鳥類を除外する準系統ですが、恐竜に鳥類を含めるとDinosauriaは単系統になります。

分類上の扱いと実務上の理由:

  • クラドistics(系統学)的な視点では、分類は可能な限り単系統で表すことが望ましいとされます。これは系統の進化的関係を正確に反映するためです。
  • しかし実務上は、形態や生態のまとまり(グレード)を重視して準系統のまま残すことが便利な場合もあります。たとえば「爬虫類」という語は教育や一般的説明で依然広く使われます。
  • 準系統を「修正」する方法としては、欠けている子孫を含めて名称や範囲を再定義するか、あるいはより小さな単系統群へ再編する(分割する)方法があります。どちらの方法を選ぶかは、目的(進化史の表現か、便宜上の分類か)によって異なります。

まとめると、準系統(パラフィリー・傍系統群)は「祖先は共有するが、そのすべての子孫を含まないグループ」を指し、系統学的には単系統の方が好まれる一方で、歴史的・実用的理由から準系統が残るケースもあります。上述のように、鳥類と爬虫類(Sauropsida)の関係は理解を深める良い例です。

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