PEGASUS(ペガサス)とは:欧州最大の航空宇宙大学ネットワークの概要
PEGASUS(ペガサス):欧州最大の航空宇宙大学ネットワークの歴史・連携・産学協力をわかりやすく解説。エアバス等との強い結びつきにも注目。
PEGASUSは、ヨーロッパ最大の航空・宇宙系大学ネットワークです。1998年にフランス国立航空大学(ENAC、ENSMA、ISAE)によって設立されました。
エアバスなど欧州のメーカーは、ペガサスのネットワークと密接に連絡を取り合っています。
名称と目的
PEGASUSは "Partnership of a European Group of Aeronautics and Space Universities" の略称で、欧州の航空宇宙教育・研究を担う大学間の協力を目的とした連合です。主な目的は次のとおりです。
- 教育カリキュラムの相互連携と品質向上
- 学生・教員の国際交流とモビリティ促進
- 産業界と大学の橋渡しによる雇用機会の創出
- 共同研究・EU研究プロジェクトへの参画
加盟校と組織体制
加盟校は欧州各国の主要な航空宇宙系大学で構成されており、技術系学部や大学院を中心に約数十校が参加しています。運営は加盟校の代表による運営委員会(Steering Committee)や専門ワーキンググループ、常設の事務局によって行われ、教育方針や共同プログラムの調整が行われます。
主な活動内容
- 教育連携:学士・修士・博士課程における単位互換、共同カリキュラム作成、共同学位プログラムの推進。
- 学生交流:短期交換、サマーコース、共同プロジェクトや学生コンテスト(設計競技など)を通じた国際経験の提供。
- 研究協力:EUの研究プログラムや産業共同研究への参加、ラボや設備の相互利用など。
- 産業連携:エアバスをはじめとする航空宇宙産業やサプライヤーとの連携によるインターン、採用説明会、技術課題解決プロジェクト。
- 品質保証とベストプラクティス共有:教育・研究の評価基準や教育方法の改善に向けた情報交換。
学生・教員へのメリット
PEGASUSに参加することで、学生や教員は以下のような利点を得られます。
- 複数国での学修機会や共同研究による専門性の向上
- 欧州の主要企業(例:エアバスなど)との接点からのインターンや就職機会
- 国際ネットワークを通じたキャリア形成支援
- 研究資金や共同プロジェクトへの参加機会の拡大
産業界との関係
欧州の航空宇宙メーカーやサプライヤーは、教育カリキュラムや実習内容の改善に関してPEGASUSと密接に連携しています。こうした連携により、産業側が求める技能・知識を教育に反映させる取り組みが進められており、学生の即戦力化や研究成果の実用化が期待されています。
歴史的背景と今後の展望
1998年の設立以来、PEGASUSは欧州内での航空宇宙教育のハブとして成長してきました。今後はデジタル化、環境対策(低炭素航空、電動飛行機など)、宇宙産業の商業化に対応するための教育・研究連携の強化が求められます。欧州全体での人材育成と研究力向上において、PEGASUSの役割は一層重要になると考えられます。
さらに詳しく知るには
加盟校一覧や具体的なプログラム内容、共同研究の事例などはPEGASUSの公式情報や各加盟校の公開資料で確認できます。興味がある方は各大学の国際担当部署やPEGASUSの公式サイトを参照してください。
メンバー
このネットワークは9カ国24大学から構成されています。
- フランスでは、航空大学校、国立民間航空学校、ポワチエ国立高等機械工学・航空工学学校、フランス航空宇宙高等研究院があります。
- 英国:クランフィールド大学、ブリストル大学、グラスゴー大学。
- ドイツ:ドレスデン工科大学、ダルムシュタット工科大学、アーヘン工科大学、ベルリン工科大学、ブラウンシュヴァイク工科大学、ミュンヘン工科大学、シュトゥットガルト大学。
- イタリアでは、ミラノ工科大学、トリノ工科大学、ナポリ・フェデリコ2世大学、ローマ・サピエンツァ大学、ピサ大学。
- オランダ:デルフト工科大学にて。
- スペインでは、マドリード工科大学、セビリア大学。
- スウェーデン王立工科大学にて。
- チェコ共和国:チェコ工科大学(プラハ)にて。
- ポルトガル:Instituto Superior Técnico。
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