五虫綱(Pentatomoidea)とは|カメムシ類の定義・特徴・分類
五虫綱(Pentatomoidea)とは何かを図解で解説。盾状背板や悪臭腺などの特徴、主要科Pentatomidaeの分類・生態をわかりやすく紹介。
五虫綱は、異翅目に属する虫の上科である。一般にはシールドバグやカメムシと呼ばれ、世界中に広く分布している。非常に多様で、約7000種が記録されているとされる。
形態的特徴
五虫綱の昆虫は、口器が植物や動物の体液を吸うための穿刺吸汁式(刺し吸い口)になっている点が共通している。背面に見られる丈夫な盾状の構造はしばしば大きく発達し、これを総称してscutellum(盾板)と呼ぶことが多い。この盾状構造は胸部の一部であり、しばしば腹部の一部を覆うことがある。
外見的には触角が5節であること、前翅は部分的に硬化した鞘翅状であること、跗節(足先)が3節の場合が多いことなどが同定の手がかりになる。ニンフ(幼若段階)は成虫と似た形態を示す不完全変態(半変態)を行う。
防御と生理
五虫綱の多くは、防御のために特殊な腺を持つ。一般に第1脚と第2脚の間付近に開口する腺(いわゆる臭腺、分泌腺)があり、これらの腺からは刺激臭や苦味のある液体を放出する。この液体や発達した盾状の背は、潜在的な捕食者を威嚇・抑止する役割を果たす。成虫だけでなく、いわゆる「ニンフ」と呼ばれる幼虫期にも臭腺が発達している種が多い。
分類と代表群
五虫綱はおよそ15の科に分けられており、その中で最も大きな科がPentatomidaeである。Pentatomidaeは約900属、4700種以上を含み、五虫綱の中で最大級の多様性を有する。ほかにもScutelleridae、Cydnidae、Acanthosomatidae、Thyreocoridaeなどの科が知られており、それぞれ形態や生態に特色がある。
生態と分布
多くの五虫綱は植物の汁を吸って生活する植物食性で、作物や果実に被害を与えることがある。一方で、一部の種は捕食性で昆虫類を捕食して農業上有益な場合もある。分布は全世界的で、熱帯から温帯まで多様な環境に適応している。
人間との関わり(農業・衛生)
五虫綱のうち植物食性の種は、野菜や果樹、穀物などに被害を及ぼす代表的害虫である。吸汁による果実の変形や、植物ウイルスの媒介による病害が問題となることがある。また、秋から冬季にかけて建物内に越冬のために侵入し、集団で貯蔵や住宅に集まる種は不快害虫として扱われる。逆に、捕食性の種は害虫の生物的防除に利用されることがある。
防除と管理
農業現場では、被害の程度や種ごとの生態に応じて以下のような対策がとられることが多い:
- 圃場周辺の雑草管理や越冬場所の整理による発生源低減
- モニタリング(フェロモントラップや誘引トラップ)の実施
- 被害が深刻な場合の選択的農薬散布(非標的生物への影響を考慮)
- 天敵や捕食者を利用した生物的防除
住宅内への侵入を防ぐには、冬季の隙間封鎖や室内に入った個体の物理的除去が有効である。放出される悪臭は洗浄で除去できる場合が多いが、強い刺激臭を伴うため注意が必要である。
まとめ
五虫綱は、吸汁する口器と盾状の背板、そして防御用の分泌腺を特徴とする多様な上科群である。約7000種を擁し、農業における重要な害虫群であると同時に、一部は生態系内で有益な捕食者としての役割も持つ。正確な種同定と生態理解が、被害対策や保全の鍵となる。

脱皮したばかりのPentatomid nymph(Halyni部族)。
質問と回答
Q: Pentatomoideaとは何ですか?
A: カメムシ目(Heteroptera suborder)に分類される虫の一種で、カメムシと呼ばれています。
Q: カメムシは何種類くらいいるのですか?
A: 約7000種が生息しているといわれています。
Q:背中のシールドは何のためにあるのですか?
A: 背中のシールドは胸郭の一部で、腹部を覆っており、捕食者を阻止する働きがあります。
Q: カメムシのどこに悪臭を放つ液体が出る腺がありますか?
A: 悪臭を放つ腺は、第1脚と第2脚の間にあります。
Q: カメムシの幼虫にもカメムシ腺があるのですか?
A: カメムシの幼虫にも臭腺があります。
Q: カメムシ目には何科がありますか?
A:15科あります。
Q: カメムシの仲間で特に有名なのはどの科で、何種類いるのですか?
A:カメムシとして知られているのはペンタトミダス科で、約900属、4700種以上と、ペンタトミダス科の中では最も多い科です。
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