プラテオサウルスとは?三畳紀の竜盤類の特徴・生態・サイズ解説
プラテオサウルスの特徴・生態・サイズを豊富な図解と最新研究で解説。三畳紀の首長草食恐竜の成長や防衛行動まで詳しく紹介。
プラテオサウルス(「平らなトカゲ」の意)は、恐竜の一種である竜盤類(prosauropod)の属名である。現在のヨーロッパで2億1600万年前から1億9900万年前の三畳紀後期、ノリアン期とレーティア期に生息していた。最初に記載されたのは19世紀で、ドイツやスイスを中心に多数の化石が見つかり、古生物学で最もよく知られた三畳紀の恐竜の一つとなっている。
形態とサイズ
プラテオサウルスは、首が比較的長く、頭は小さめ、胴は頑丈で尾が長い体つきをしていた。個体差や種によって大きさは幅があり、成体は全長でおおむね数メートルから8メートル前後に達したとされる。体重の推定は研究によって異なり、数百キログラムから数トンに及ぶという報告がある(早い研究では成人が体重1,500ポンド(680kg)、体長27フィート(8.2m)に達するとした例もある)。
前肢は比較的発達しており、親指に大きくて鋭い爪でがあったことが特徴的である。この爪は植物の採取に使われた可能性に加え、捕食者に対する防御や縄張り争いに用いられたと考えられている。後肢は強く、二足で立ち上がることも四足で歩くこともできる、いわゆる両足歩行と四足歩行を使い分ける「両用」的な姿勢をとったと推定されている。
歯と食性
大人のプラテオサウルスは、葉や若枝などの植物を主に食べていたとされる。歯は葉を切り裂くのに適した形状で、咀嚼(そしゃく)に特化した臼のような歯列は持たなかったため、飲み込みやすい大きさに咀嚼する能力は限定的だった可能性がある。そのため胃の中で石(消化石、ガストロリス)を使って食物をすり潰していたという説もある。完全な草食専用というよりは、状況により若芽や低木の芽を好んで食べる比較的幅広い植物食者であったと考えられている。
行動・生態
化石の分布や骨床の発見状況から、プラテオサウルスは一定程度の群れ生活や同所的な個体集積があった可能性が示唆されている。ドイツのトロッシンゲン(Trossingen)やスイスのフリック(Frick)などの大量の骨層は、嵐や洪水などの自然災害で多数の個体が一時的に集まって死んだ結果とも解釈されるが、社会的行動の痕跡とも考えられている。
また、近年の骨組織学的研究では、成長パターンに高い可塑性(環境に応じて成長速度や最終体格が大きく変わること)があり、同種内でサイズ差が大きいことが示されている。これは気候や食糧状況などの環境要因が個体の成長に強く影響したことを示唆している。
生息環境と共存種
三畳紀後期のヨーロッパは、温暖で季節変動のある環境が広がっていた。プラテオサウルスは森林や開けた植生のある内陸域に生息し、初期の獣脚類(小型肉食恐竜)や様々な陸生爬虫類、原始的な哺乳類様動物などと共存していた。地質学的には河川堆積や湖沼の堆積物からよく化石が産出する。
分類学的・学術的意義
伝統的に「prosauropod(前竜脚類)」と呼ばれてきたグループに属するが、現代の研究では「基盤的な竜脚形類(basal sauropodomorph)」として扱われることが多い。プラテオサウルスはその豊富な化石材料と保存の良さから、三畳紀後期の恐竜進化や生態、成長様式を解明する上で非常に重要な標本群となっている。
まとめると、プラテオサウルスは三畳紀のヨーロッパに広く分布した大型の草食性(または主に草食傾向の)恐竜で、長い首と発達した前肢、親指の大きな爪を持ち、成長や行動について多くの重要な知見を与えてくれる種である。
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