短尾翼竜亜目(翼竜亜目)とは|特徴・代表種(プテロダクティルス等)と化石記録・絶滅

翼竜亜目(一般に「短尾翼竜亜目」=Pterodactyloidea)は、尾が短く第3指とそれに付随する長大な指節で翼を形成する翼竜の一群です。化石の記録はジュラ紀中期に始まり、その後多様化して白亜紀を通じて世界中に広がりました。多くの系統が白亜紀末のK/T絶滅イベントで消滅し、現生の翼をもつ脊椎動物としての系統はこの時点で途絶えました(亜紀末期のK/T絶滅イベント)。プテロダクティルス、プテラノドン、ケツァルコアトルスなどがこの亜目に含まれます。

特徴

  • 短い尾:祖先的な長尾の翼竜(ラムフォリンクス類)と比べ、尾が短く柔軟になっている点が大きな特徴です。
  • 長く伸びた手指(特に第3指):羽膜を支えるために第3指が非常に長く、これが飛行に重要な役割を果たしました。
  • 頭部の変化:多くの種で頭骨が大型化し、派手な頭部飾り(クレスト)を備えるものや、歯を失って嘴状になる系統もあります。
  • 骨の軽量化と飛行適応:中空の骨や強化された胸帯(胸骨や肩甲帯)など、飛行に適した骨格構造を示します。
  • 食性の多様性:魚食、捕食、腐肉食、濾過摂食(フィルターフィーダー)など、さまざまな生態位に適応した種が存在しました。

代表種と多様性

短尾翼竜亜目には小型から超大型まで幅広いサイズの種が含まれます。代表的なグループ・属をいくつか挙げると:

  • プテロダクティルス:比較的小型で、古くから知られる標本群。ヨーロッパで産出。
  • プテラノドン:白亜紀前期〜後期にかけて生きた大型の歯のない翼竜で、大きな頭部クレストを持つ種もあります。
  • ケツァルコアトルス(Azhdarchidaeの代表):陸上で大型の獲物を探す能力を持った超大型翼竜で、翼開長は10メートル以上に達したと推定されます。
  • その他、タペジャラ類、プテラノドン類、ニクトサウルス類、アジダルキ類、プテロダウストロ類など、多様な系統が知られています。

2010年代以降の新しい発見で、白亜紀後期にも多彩な形態が存在したことが明らかになり、小型種や特殊な餌利用様式をもつ種も報告されています。

化石記録と起源の証拠

2014年には中国で、これまでの認識より古い最古級の短尾翼竜類の化石が報告されました。これはクリプトドラコンと呼ばれる標本で、その最低年齢は約1億6,270万年前(約1.627億年前)と推定され、これまで確認されていた標本より約500万年ほど古いことが示されました。こうした発見は短尾翼竜亜目の起源時期や初期分化についての理解を更新するものです。

ジュラ紀中期以降、短尾翼竜亜目は世界各地で化石が見つかり、白亜紀を通じて海岸域・内陸・湿地など多様な環境に適応していたことが明らかです。地層や放射年代の解析により、各地での出現時期や絶滅時期が詳細に検討されています。

絶滅

白亜紀の終わり(約6,600万年前)に起きた白亜紀-古第三紀(K–Pg、旧称K/T)大量絶滅イベントで、短尾翼竜亜目を含む非鳥類型の翼竜は全滅しました。一方で、鳥類(avian dinosaurs)の一部はこのイベントを生き延びえたため、現代の飛行脊椎動物は鳥類が担うことになりました。絶滅の原因としては大型隕石衝突やそれに伴う環境変化(気候の急激な変動、光合成低下など)が主要因と考えられていますが、種や地域ごとに影響の受け方は異なったとみられます。

研究の現状と未解決の問題

  • 起源の正確な年代や初期分化の経路については、新標本の発見によって常に更新されています。
  • 行動や生態(例えば大型アジダルキ類の採餌様式や、翼竜の子育て・成長戦略)については化石証拠の解釈に議論が残ります。
  • ある時期の多様性や小型種の分布がどのように変化したかについても、さらなる化石発見と系統解析が必要です。

短尾翼竜亜目はその形態学的多様性と生態的適応の幅広さから、古生物学や形態進化の研究において重要な役割を果たしています。新しい化石の発見と解析により、今後も彼らの進化史に関する理解は深まっていくでしょう。

アリゾナ州メサのアリゾナ自然史博物館に展示されている翼竜の骨格Zoom
アリゾナ州メサのアリゾナ自然史博物館に展示されている翼竜の骨格

分類

翼竜類の各部門の分類です。

質問と回答

Q: 翼手類とは何ですか?


A: 翼竜亜目とは、短尾翼竜の亜目です。

Q: 翼竜の化石はいつごろ発見されたのですか?


A: ジュラ紀中頃の化石です。

Q: 翼手類はいつ絶滅したのですか?


A: 白亜紀末のK/T絶滅事件で絶滅しました。

Q: 翼竜亜目にはどのような翼竜がいますか?


A: 翼竜亜目に属するのは、プテロダクティルス、プテラノドン、ケツァルコアトルスです。

Q: クリプトドラコンとは何ですか、いつ発見されたのですか?


A:クリプトドラコンは最も古い翼手類として知られており、2014年に中国で発見されました。

Q:白亜紀-古第三紀の絶滅現象はいつ起きたのですか?


A:白亜紀-古第三紀絶滅イベントは、白亜紀の終わりに起こりました。

Q: 白亜紀から古第三紀にかけての絶滅イベントで、翼竜はどうなったのですか?


A:翼竜は、非鳥類恐竜や鳥類恐竜、その他多くの動物とともに、白亜紀から古第三紀にかけての絶滅イベントで絶滅してしまいました。

AlegsaOnline.com - 2020 / 2025 - License CC3