ショルツ星(WISE 0720-0846)—約7万年前にオールト雲を横切った近傍連星

ショルツ星(WISE 0720-0846):約7万年前にオールト雲を横切った近傍連星。赤色矮星とT型褐色矮星の構成、軌道、太陽系への影響を詳述。

著者: Leandro Alegsa

ショルツ星は、約7万年前に太陽系オールト雲を通過した近傍の星で、カタログ名は WISE 0720−0846(より完全には WISE J072003.20−084651.2)と表記されます。発見者の名前にちなみ「ショルツ星」と呼ばれ、比較的最近に注目された近隣低質量連星系です。

基本的な性質

  • 現在の太陽からの距離は約17〜23 光年(5.1〜7.2 パーセク)と推定されています。
  • 位置は銀河面に近い南のいっかくじゅう座にあります。
  • 主星は超低質量の赤色矮星で、質量は木星の86±2倍程度と見積もられています(約0.08 太陽質量前後)。
  • 伴星はおそらく T5型の褐色矮星であり、系全体の質量は約0.15 太陽質量とされています。
  • 光度は非常に小さく、見かけの明るさは約18.3等です。
  • 年齢は数十億年と考えられ、現在の推定ではおよそ30〜100億年程度の古い系である可能性があります。

連星の構成と軌道

観測から、ショルツ星は主星と褐色矮星の近接連星系であると判断されています。伴星は主星の近傍に位置し、比較的短い軌道周期で回っていると推定されています(観測によっては主星からの典型的な分離が約0.8天文単位程度と示唆される場合があります)。ただし軌道要素や正確な周期は観測データの改良により更新される可能性があります。

約7万年前の太陽系接近とオールト雲への影響

軌道復元の解析によると、ショルツ星は約7万年前に太陽系の外縁にあるオールト雲の領域を横切るように接近したと推定されます。最接近時の距離は数万天文単位(おおむね約0.8光年=約5万〜6万天文単位)とされ、オールト雲の外側をかすめた形です。

このような近接通過はオールト雲中の小天体の軌道を摂動し、一部の彗星を内側へと送り込むきっかけになり得ます。ただし、ショルツ星による摂動は「直接的かつ即時に多数の彗星が内惑星域に降り注ぐ」といった極端な影響を引き起こすほど大きくはないと考えられています。オールト雲からの彗星が太陽系内惑星領域に到達するまでには、通常は数百万年(おおむね約200万年程度)かかるため、接近が地球に直ちに危機をもたらすものではありません。

こうしたオールト雲とのすれ違いは非常に稀ではあるものの、銀河環境や近傍星の運動により数万〜十万年のオーダーで起きうる現象であり、ショルツ星のケースはその一例として学術的に重要です。

観測の経緯と意義

ショルツ星は赤外線サーベイ(WISEなど)や地上望遠鏡による追観測で同定され、近傍の低質量星・褐色矮星研究に貴重な情報を提供しました。低質量連星の物理的性質、形成史、近傍天体によるオールト雲摂動の実例として、天文学で広く参照されています。今後の高精度な位置測定や長期観測により、軌道要素や系年齢、金属量などの理解がさらに深まることが期待されます。

質問と回答

Q: ショルツの星とは何ですか?


A:ショルツ星は、約7万年前に太陽系のオールトの雲を通過した近傍の連星系です。

Q: 「ショルツ星」の別の名前は何ですか?


A: 「ショルツの星」は、WISE 0720-0846、または WISE J072003.20-084651.2 とも呼ばれています。

Q: 「ショルツ星」は太陽からどのくらい離れているのですか?


A: ショルツ星は、現在太陽から17〜23光年 (5.1〜7.2パーセク) 離れています。

Q: ショルツ星系の主星は何ですか?


A:ショルツ星系の主星は、木星の86±2倍の質量を持つ赤色矮星です。

Q: ショルツ星系の二次星は何ですか?


A:ショルツ星系の副星はT5褐色矮星と推定されます。

Q: 「ショルツの星」の見かけの等級は何等ですか?


A: 見かけの等級は18.3等です。

Q: 「ショルツ星」は何年前の星ですか?


A:ショルツ星は30億年から100億年前の星と推定されています。


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