『スクリーム2』は、ウェス・クレイブンが監督し、ケビン・ウィリアムソンが脚本を担当した1997年のアメリカのスラッシャー映画である。主演はデヴィッド・アークエット、ニーヴ・キャンベル、マシュー・リラード、ダックス・シェパード、コートニー・コックス、サラ・ミシェル・ゲラー、ローリー・メトカーフ、ジェイミー・ケネディ、ジェリー・オコネル、ジャダ・ピンケット、リーヴ・シュライバー。
スクリームシリーズの第2弾として1997年12月12日にディメンション・フィルムズより公開された。物語は前作の1年後を舞台にしており、架空のウィンザー大学に通う主人公シドニー・プレスコット(ニーヴ・キャンベル)と彼女の弟ジェリー(マシュー・リラード)が、前作の事件を模倣するように現れた新たなゴーストフェイスを相手に命を狙われるという筋立てである。シドニーたちは、映画オタクで鋭い考察をするランディ・ミークス(ジェイミー・ケネディ)やジェリーの友人トム・スコット(ダックス・シェパード)、引退しかけの副保安官デューイ・ライリー(デヴィッド・アークエット)、そしてニュースレポーターのゲイル・ウェザーズ(コートニー・コックス)らとともに、連続殺人の謎に巻き込まれていく。前作同様、本作もホラーのジャンル規約や映画的な「続編」ものに対するメタ的な言及を多く含み、コメディやミステリーの要素を併せ持ったスラッシャー作品として描かれている。映画はその後、続編としてScream 3(2000年)とScream 4(2011年)を生んだ。
製作の経緯と脚本
脚本家のウィリアムソンは続編の構想を出品用に5ページ程度のアウトラインにまとめ、フランチャイズの権利を得ようとした。前作『スクリーム』が興行的・批評的成功を収めると、ディメンションは公開中の段階から続編製作へ動き、主要キャストの多くが続投し、クレイブンが監督、マルコ・ベルトラミが音楽を担当することになった。しかし、製作は順風満帆とはいかなかった。映画のプロット情報がインターネットに流出してしまい、犯人の正体が早期に漏れるなどの問題が発生したため、脚本は何度も改訂され、撮影当日に新たなページが渡されることもあった。機密保持のために複数の結末を撮影するなどの対策がとられたが、短いスケジュールの中で急ピッチの制作が続いた。
撮影とキャスティング
前作の主要キャストが再集結する一方で、新たなキャストも加わって群像劇的な側面が強化された。厳しいスケジュールの影響で現場は流動的で、シーンの変更や追加撮影が頻繁に行われた。こうした事情は演出・編集にも影響を与えたが、クレイブンの演出はシリーズのメタ性とサスペンス感を保ちながら物語を前へ進めた。
音楽とサウンドトラック
作曲は前作に引き続きマルコ・ベルトラミが担当し、既存のキャラクターやムードを発展させる形でスコアを制作した。しかし、製作スケジュールの制約から一部にテンポラリートラック(仮音源)が残って映画本編に使用されたことが論争を呼んだ。批評家の中には、本作で印象的だった音楽の多くがベルトラミ以外の作曲家、具体的にはダニー・エルフマンとハンス・ジマーの楽曲によると指摘する者もいる。エルフマンの貢献は本作のために書かれたものであったとされる一方、ジマーの『ブロークン アロー』のスコアの一部がベルトラミの曲に代わって用いられ、賛否を呼んだ。サウンドトラックはレビュー面で賛否が分かれたが、ビルボード200で50位まで上昇するなど商業的には一定の成功を収めた。
公開後の評価と興行
公開後、本作は全世界で約1億7,200万ドルの興行収入を記録し、複数の賞やノミネートを獲得した。批評面では概ね肯定的な評価を受け、前作と同等、あるいは上回る出来だと評価する声もあった。批評家は脚本の巧妙さ、シリーズ特有の自己言及的ギミック、演出家クレイブンの安定した演出を評価する一方で、脚本漏洩や制作の急ピッチぶりが作品に影響を与えた点を指摘する向きもあった。
論争と影響
インターネット上へのプロット流出や、撮影中の脚本変更が公に知られたことで制作過程への注目が集まり、公開前から物議を醸した。本作はメタ的ホラーの代表例として、続編制作や「映画内映画」(いわゆる「Stab」シリーズ)の設定を通じて、ポップカルチャーと暴力表現の関係を巡る議論にも影響を与えた。シリーズ全体としては、スラッシャー映画の枠組みを自覚的に利用しつつ、ジャンルの再活性化に寄与したと評価されている。
総じて、『スクリーム2』は当時の商業ホラー映画における興行的成功と、ジャンルに対するメタ的・批評的アプローチを両立させた作品であり、その制作過程と完成作は現在もホラー映画研究やファンの間で議論の対象となっている。