国務長官とは|定義・職務と各国の違い(英米・バチカン例)
国務長官の定義から英米・バチカンでの役割の違いまで解説。複数存在するケースや職務の実態をわかりやすく比較紹介。
国務長官とは、政府高官の称号である。この称号は国によって意味が異なり、政府内に複数の国務長官が存在するケースもある。一般的には「国家の重要な政策分野を担当する責任者」「外務・外交を担う最高位の担当者」などを指すことが多いが、制度や呼称の使い方は国ごとに大きく異なる。翻訳や文脈によっては「外務長官」「国務大臣」「閣僚(Secretary)」などとも訳されることがある。
多くの国では、国務長官は中堅の役人である。ただし「役人(bureaucrat)」としての意味合いが強い国もあれば、政治的に任命される閣僚(政治家)である国もあるため、職務や権限は大きく異なる。
- 英国では、国務長官は内閣の上級大臣である。
- バチカン市国では、バチカン市国とローマ・カトリック教会の内閣であるローマ教皇庁のトップが枢機卿国務長官である。
主な職務と権限
- 外交・対外関係の統括:多くの国で外務政策や外交交渉を統括し、在外公館(大使館・総領事館)の運営や大使の任命・指導に関与する。
- 政策立案と実行:担当分野の政策を立案し、内閣や議会に対して説明・責任を負う。
- 行政管理:担当省庁や部署の運営管理、予算配分、人事の決定(あるいは勧告)を行う。
- 代表・交渉役:国際会議での代表、条約交渉、他国との折衝などの実務的代表を務める。
- 政治的責任:政治家として任命される場合は、与党や内閣の方針に従い、議会での答弁や説明責任を負う。
各国の具体例
アメリカ合衆国(米国)
米国で「国務長官」は英語の "Secretary of State" を指し、連邦政府の外務を担当する内閣最上位の閣僚である。国務省の長として外交政策の立案・実行、各国との交渉、大使館・領事館の監督、条約や国際協定の処理などを担う。大統領に任命され上院の同意を得て就任し、内閣の主要メンバーとして政策決定に関与する。なお、大統領の継承順位では上位に位置する(副大統領・下院議長・上院仮議長に次ぐ)。
イギリス(英国)
英国では、国務長官は内閣の上級大臣である。イギリスでは "Secretary of State" という称号が複数の省庁長に対して用いられ(例:Foreign Secretary=外務大臣、Home Secretary=内務大臣など)、各「Secretary of State」はそれぞれの行政分野を担当する上級閣僚である。したがって「国務長官」が一人だけを指すのではなく、複数存在するのが普通である。彼らは議会の一員であり、政治的責任を負う。
バチカン(ローマ教皇庁)
- バチカン市国では、バチカン市国とローマ・カトリック教会の内閣であるローマ教皇庁のトップが枢機卿国務長官である。
用語上の注意点
「国務長官」という日本語は、どの国の制度を指すかによって意味合いが変わるため、文脈確認が重要である。特に英語の "Secretary of State" は国によって役割が異なり、米国では単独の外務大臣的役割を指す一方、英国では複数の省庁長に付けられる一般的な閣僚の称号である。また、日本国内の公職名とは必ずしも対応しない(例:日本の閣僚の呼称は「外務大臣」「国務大臣」などが使われる)。翻訳・報道・学術で用いる際は、対象国の制度説明を付けると誤解が避けられる。
米国
米国連邦政府では、国務長官は米国国務省の長であり、外交政策の責任者である。他の多くの国では、この役人は外務大臣または外務大臣と呼ばれる。国務長官は内閣の最高位である。現在の米国国務長官はマイク・ポンペオである。
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