概要
シャーマンとは、共同体のなかで、非日常的・霊的な領域へ特別にアクセスし、そこに影響を及ぼす力を持つと認められた人物を指す。多くの言語や民族誌では、治療者や霊的専門家と訳されることもある。こうした実践者に結びつく信仰体系や技法は、一般にシャーマニズムと呼ばれるが、そのあり方は文化によって大きく異なる。
特徴と方法
シャーマンは通常、太鼓、歌唱、断食、舞踊、植物の使用などによって意識変容状態に入り、霊的な旅やトランスを行う。その旅のなかで、霊界から助言を得たり、助けとなる霊を呼び出したり、人間の健康や運命に影響すると信じられる力と交渉したりする。動物の助力者や案内者が語られることも多く、特に動物霊との交信を重視する伝統もある。
歴史と分布
シャーマン的実践の形態は、世界各地の先住民のあいだで記録されてきた。とりわけ北ユーラシア、アメリカ大陸、アフリカの一部、極圏北部の北極地域に見られる。旅、霊的な仲間、治療といったいくつかの中核的な要素は文化をまたいで繰り返し現れるが、細部、用語、社会的地位は地域や歴史的時期によって異なる。学術研究では、シャーマニズムは比較のために有用な分類として扱われる一方、単一で均質な伝統があると考えることには慎重である。
役割と社会的機能
シャーマンは社会のなかで複数の役割を担うことが多い。病気の診断と治療、失われた魂の回復、不運の原因の占い、人生儀礼の司祭、狩猟・天候・作物の成功を祈る共同儀礼の実施などである。多くの共同体では、シャーマンの実践は文化的記憶と生態学的知識の蓄積でもある。
訓練と選定
シャーマンになるには、長い徒弟修業、入門儀礼、あるいは民族誌的に「呼びかけ」と表現されるものが伴うことが多い。これは、危機、病気、幻視が、その人をその役割へ選んだと解釈される経験である。技能は口承と実地経験によって伝えられ、地位は世襲制、選任制、または適切な訓練を受けた者に開かれる場合がある。
現代の文脈と区別
現代では、先住民集団のあいだで伝統的なシャーマン的実践が復興される例もあれば、都市環境で「ニューエイジ的」な形として語られる新しい実践もある。研究者や文化擁護者は、共同体に根ざした敬意ある継続と、商業化されたり流用されたりする用法とを区別する必要性を強調する。シャーマン的実践は、多くの宗教における組織化された神職とも異なり、制度化された聖職者が正式な典礼を執行するというより、霊との直接的で個人的な遭遇を重視する傾向がある。
比較研究の役割や民族誌的事例についてさらに知るには、伝統的治療と儀礼専門家に関する資料を参照するとよい。たとえば、治療者の概説、シャーマニズム研究、霊界に関する宇宙観の入門、そして動物霊との関係を扱う記述などがある。