概要

テスラ(記号 T)は、国際単位系(SI)における磁束密度、すなわち磁場 B の組立単位である。磁場が動く電荷や磁気双極子に及ぼす力の大きさを表す。テスラは、実験室、産業、医療の用途で使いやすい尺度であり、磁場の強さがテスラのごく一部から数テスラ以上まで及ぶ場面に適している。

定義と等価表現

定義上、1テスラは 1 平方メートルあたり 1 ウェーバに等しい。SI基本単位や他の一般的な表し方では、テスラは次のように書ける。

  • 1 T = 1 Wb/m2
  • 1 T = 1 N/(A·m)
  • 1 T = 1 kg/(A·s2)

これらの関係は、テスラが力学的・電気的な基本単位と結びついた組立単位であることを示している。歴史的・実用的な比較として、1テスラは 10,000 ガウスに等しい(ガウスは、現在でも一部の分野で使われる非SI単位である)。

典型的な大きさと例

磁場の強さは非常に幅広い。代表的な桁としては次のようなものがある。

  • 地表付近の地磁気:数十マイクロテスラ(µT)。
  • 小型永久磁石や磁気センサー:ミリテスラ(mT)から数十ミリテスラ。
  • 医療で用いられる磁気共鳴画像法(MRI)装置:一般に 1.5 T から 3 T 程度。より高磁場の臨床用・研究用システムでは数テスラを超える。
  • 特殊な実験室用磁石や加速器用磁石は数テスラに達し、研究用磁石の中には短時間で数十テスラを生み出すものもある。

測定と計器

磁束密度は、用途や感度の範囲に応じたさまざまな計器で測定される。一般的な方法には、手軽な磁場分布の測定に使うホール効果プローブ、低周波・直流測定向けのフラックスゲート磁力計やサーチコイル磁力計、そしてきわめて小さな磁場を測る超伝導量子干渉計(SQUID)がある。磁場をテスラで定量する際には、校正、温度の影響、センサーの向きが重要になる。

歴史と名称

テスラという名称と記号は、20世紀半ばにSIの一部として採用された。この単位名は、交流電力システムと電磁気学研究への貢献をたたえて、発明家であり電気技術者でもあったニコラ・テスラにちなむ。テスラがSI組立単位として正式に採用されたのは、単位名と記号を標準化する国際的な計量機関を通じてであった。

区別と関連量

磁束密度(B、テスラで測定)と、磁場の強さ(H、アンペア毎メートル A/m で測定)は区別することが重要である。磁束(面を通過する磁気の総量)はウェーバ(Wb)で測る。また、磁化率や透磁率は、物質内で B と H を結びつける。電気機械、粒子加速器、磁気シールド、生体医用画像の設計などの実用分野では、これらの関連量を組み合わせて磁気的なふるまいを特徴づけ、制御している。

さらに詳しい技術情報については、SI Brochure や電磁気学の専門書などの一次資料を参照するとよい。SI と単位定義磁場の概念ウェーバと磁束、ニコラ・テスラの伝記、SI単位採用の歴史