概要
『Where I'm Coming From』は、スティーヴィー・ワンダーの13作目のスタジオ・アルバムで、1971年4月12日にモータウン・レコードから発売された。その年に出た唯一のアルバムであり、しばしば「過渡期の作品」と評される。より個人的な作詞と社会へのまなざしを前面に出し、素材やテーマに対する芸術的な主導権をワンダーが強め始めたことを示している。
音楽性とテーマ
本作はソウル、ポップ、そして初期的なアレンジやスタジオ制作の試みが溶け合った内容になっている。歌詞は、親密な恋愛感情の省察から、より広い社会的・感情的な問題まで幅広い。モータウンらしい親しみやすいメロディを保ちながらも、楽曲は単なる会社主導の素材を歌う演者としてではなく、作曲家、語り手としての彼の声を強く打ち出している。
制作と共同作業者
モータウン体制のなかで録音された『Where I'm Coming From』には、当時ワンダーと密接に活動していたソングライターやミュージシャンとの協働が含まれる。本作には共作曲も収められており、のちのアルバムでさらに発展させる、より明確で個人的な視点の形成を後押しした。次のスタジオ作品である『Music of My Mind』へとつながり、こちらは1972年に登場し、彼の最も実験的な時期の始まりとみなされることが多い。
評価と遺産
発表当時の反応は賛否が分かれつつも概ね好意的で、聴き手や批評家は、より強く個性のある歌詞の声と、1970年代半ばのワンダーの作品を特徴づける創作的自立の兆しを指摘した。今日では、初期モータウン期と、その後に続く画期的な自主性の高いアルバム群をつなぐ重要な架け橋として評価されている。
注目点
- 1971年4月12日にモータウン・レコードから発売。
- より大きな創作的コントロールに向かう過渡期のアルバムと見なされる。
- ワンダーの作曲家・プロデューサーとしての成長を論じる際によく挙げられる。