木琴(シロフォン)とは?構造・歴史・演奏法とマリンバの違い

木琴(シロフォン)の構造・歴史・演奏法を図解で分かりやすく解説。マリンバとの違い、音色・奏法のコツや楽器選びまで初心者から上級者向けに紹介。

著者: Leandro Alegsa

木琴は、打楽器科に属する楽器で、音の高さが定まった「調律打楽器(音階を持つ打楽器)」の代表的な楽器です。しばしば、鍵盤状に並べた音板(バー)を木製のマレットで叩いて演奏します。各音板は長さ・厚さ・形状を変えて固有の音高に調律されており、並びはピアノの鍵盤のように配列されます。板の下には共鳴管(レゾネーター)が備えられていることが多く、これが音の響きや持続時間を助けます。

構造と素材

現代の木琴は次のような要素で構成されています。

  • 音板(バー):伝統的にはハードウッド(ローズウッドなど)が用いられ、近年は耐久性のあるパドゥークや人工素材(合成材)も使われます。材質により音色(明るさ・硬さ・倍音構成)が変わります。
  • フレーム:バーを固定する枠組み。持ち運びや安定性に関わります。
  • レゾネーター(共鳴管):各バーの下に取り付けられ、低周波の共鳴を補強して音の伸びを良くします。木琴用のレゾネーターはマリンバほど長くないことが多く、結果として音の減衰が比較的速い特徴があります。
  • マレット:頭の素材(ゴム・糸巻き・プラスチック)と硬さで音色が大きく変わります。硬いマレットは明瞭できらびやかな音、柔らかいマレットは丸みのある音を生みます。

歴史

木琴は、アフリカやアジアで古くから用いられてきた民族的な打楽器から発展しました。特に、西アフリカのバラフォンや東南アジアの木造鍵盤楽器が起源とされ、これらが中央ヨーロッパの地域に伝わることで現代的な形に整えられていきました。西洋のクラシック音楽で木琴がオーケストラに取り入れられるようになったのは19世紀末からで、最初にフンペルディンクがオペラ「ヘンゼルとグレーテル」オーケストラに使用したことが大きな契機とされています。

その後、作曲家たちは木琴の特徴的な音色を効果的に利用しました。たとえば、サン=サーンスの『不死身の舞踏』では「骸骨のように聞こえる」といった表現に用いられ、また『動物の謝肉祭』では化石を連想させる音色付けとして登場します。近現代でも、カイル・ライリーのような作曲家が合唱やオーケストラ作品で木琴を採用しています(例:「Island of Misfit Toys」)。

演奏法・表記

木琴の演奏では主にマレットを1本ずつ両手に持つ「2本持ち」が基本ですが、熟練者は両手に2本ずつ(合計4本)持って和音や内声を同時に扱う「4マレット奏法」を使います。マレットの材質や硬さを変えることで、同じパッセージでもさまざまな音色を作れます。

音符の表記については、一般的なオーケストラ用の木琴は楽譜に書かれた音よりも1オクターブ上の音が鳴るように扱われることが多く(移調楽器として扱われる)、これは編曲や合わせの際に注意が必要です。木琴の音は減衰が速く「短く乾いた」音色が特徴のため、スタッカートや速いパッセージ、切れの良いリズム表現に向いています。一方で、サステインが必要な場合はレゾネーターの調整やマレット選択、ペダルのようなダンピング技法で対応します。

奏法のポイント:

  • マレットの持ち方(マッチドグリップやレギュラグリップ)を場面に応じて使い分ける。
  • 指・手首・腕の連動で打撃をコントロールし、硬さや音量を調整する。
  • ミュート(ダンピング)を指で行って音の余韻を止める技術が重要。
  • ロール(トレモロ)やアクセント、スティッカートなどの表現を的確に使う。

マリンバとの違い

マリンバは木琴の仲間ですが、以下の点で異なります:

  • 音域:マリンバは低域が豊富で、より低い音までカバーするため音域が広い(大規模なものは5オクターブ以上)。
  • 音色:マリンバは温かく豊かな残響を持ち、木の深い倍音が強調される。一方で木琴は明るく切れのある音で、減衰が速いのが一般的です。
  • レゾネーターとバーの形状:マリンバは大きな共鳴管と幅広のバーを持ち、低音を強化する設計になっています。木琴は比較的コンパクトで共鳴が短めです。
  • 使用場面:マリンバはソロ、室内楽、現代曲でのソロ的な扱いが多く、木琴はオーケストラや打楽器群での切れのあるリズムや効果音的な使い方が多いです。
  • 奏法:どちらも複数マレットを用いるが、マリンバでは和声的な演奏(和音の拡張や低音パートの兼任)が多くなるため4本以上の高度なマルチマレット技術がより頻繁に用いられます。

古典的なオーケストラ作品ではマリンバが使われることは比較的少なく、木琴の方が登場頻度が高い傾向にあります。

メンテナンスと選び方

音板は湿度・温度変化に弱いため、保管時は直射日光や急激な環境変化を避けることが重要です。演奏前後にはバーの表面を柔らかい布で拭き、ひび割れや割れがないか定期的に点検します。マレットは曲や音楽的意図に合わせて硬さや素材を使い分けると表現の幅が広がります。

用途・レパートリー

木琴はオーケストラ、吹奏楽、室内楽、映画音楽やポップス、現代音楽など幅広い分野で使われます。短い音のアタックやリズミカルなパターン、効果音的なフレーズを担当することが多く、作曲家はその明瞭で鋭い音色を効果的に配しています。

まとめると、木琴は構造・素材・奏法の組合せで多彩な音色を生み出す打楽器であり、似た楽器であるマリンバとは音域・音色・用途で明確な違いがあります。適切なマレット選びと奏法の習熟により、表現の幅は大きく広がります。

(原文の参照箇所:木琴には木でできた棒、演奏時の表記に関する注:音符、などは本文中にて言及しています。)

フィリピンの木琴"Kulintang a Kayo"と呼ばれるものZoom
フィリピンの木琴"Kulintang a Kayo"と呼ばれるもの

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質問と回答

Q:木琴とは何ですか?


A:木琴は打楽器に属する楽器で、異なる音程を奏でることができるため「ピッチドパーカッション」または「チューンドパーカッション」と呼ばれるグループに属しています。

Q: 木琴はどのように演奏されるのですか?


A:木琴は、ドラムのスティックの一種であるマレットで棒を叩いて演奏します。木片はそれぞれ長さが違うので、叩くと違う音が出るんだ。

Q: 現代のオーケストラ用木琴はどこから来たのでしょうか?


A: アフリカやアジアにあった木琴が発展し、中央ヨーロッパの国々に民族楽器として持ち込まれたのが、現代のオーケストラ用木琴です。

Q:木琴を使った有名な作曲家は?


A:フンパーディンクはオペラ「ヘンゼルとグレーテル」で、サン=サーンスは「ダンス・マカーブル」で骸骨のような音を、「動物の謝肉祭」で化石のような音を出すために使用した。カイル・ライリーはSATB合唱団とオーケストラのために木琴を使用します。

Q: 木琴の音は通常、書かれた音楽とどのように違うのでしょうか?


A: 木琴の音は通常、書かれた音楽よりも1オクターブ高く聞こえるように演奏されます。音が常に短いので、乾いた感じの速いソロ曲に使われることが多いですね。

Q: 他に木琴に似た楽器はありますか?


A:マリンバもクライフォンに似た打楽器ですが、音色が柔らかく、小節数が多く、特に低音に特徴があります。古いオーケストラの音楽ではあまり使われません。

Q: クライフォンやマリンバを演奏するために必要なマレットは何本ですか?



A: 両楽器とも通常2本のマレットが必要ですが、上手な人なら4本(片手に2本)でも大丈夫です。


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