アラニス・ナディーン・モリセットAlanis Nadine Morissette、1974年6月1日生まれ)は、グラミー賞を受賞したカナダ系アメリカシンガー・ソングライター。オタワで生まれ育ち、10代で音楽活動を始めた後、1990年代中盤に世界的な成功を収めた。感情に直結する率直な歌詞とオルタナティヴ・ロックやポップの要素を融合させた楽曲で知られる。

幼少期からカナダのテレビ番組に出演し、長寿コメディ番組であるロングラン・シリーズのYou Can't Do That on Televisionにも出演した経歴がある(同番組の複数のエピソードに出演)。音楽活動としての最初のスタジオ作品は、カナダ限定でリリースされたファースト・アルバムは1991年(タイトルは『Alanis』)で、その後も地元カナダで数作の作品を発表した。

国際的なブレイクスルーとなったのは1995年発表のファースト・インターナショナル・アルバム「Jagged Little Pill」。ロックやオルタナティヴの影響を色濃く反映したこのアルバムは、世界的なヒットとなり、全世界で3300万枚以上を売り上げ、音楽史上最も売れたデビューアルバムの一つとなった。代表曲には「You Oughta Know」「Ironic」「Hand in My Pocket」「Head Over Feet」などがあり、これらのシングルは1990年代のポップ/ロックシーンに強い影響を与えた。

その後も1998年に『Supposed Former Infatuation Junkie』を発表し、続いて『Under Rug Swept』(2002年)、『So-Called Chaos』(2004年)、そしてFlavors of Entanglement(2008年)などをリリースした。特に『Under Rug Swept』では自身がプロデュースを担当するなど、制作面での関与を強めている。モリセットのトータルのアルバム売上は世界で6000万枚以上と報告されている。

受賞歴としては、1990年代の大躍進の際に複数のグラミー賞を受賞しており、主要部門を含む評価を得た。批評家やリスナーからは、その率直で時に挑発的な歌詞世界、女性の視点からの表現力、ライブでのエモーショナルなパフォーマンスが高く評価されている。

  • 代表的なシングル:「You Oughta Know」「Ironic」「Hand in My Pocket」「Head Over Feet」など。
  • 特徴的なスタイル:個人的な経験をもとにした率直な歌詞、ロック/オルタナ系のサウンド、時にフォーク的な要素も取り入れる多様性。
  • 舞台・音楽以外の活動:1990年代以降、音楽以外にも映画出演や舞台に関連するプロジェクトに参加。後年にはアルバムを原作としたミュージカル『Jagged Little Pill』が制作され、アルバムの物語性やテーマが新しい形で提示された。

また、ケヴィン・スミス監督の映画『ドグマ』などにカメオ出演し、映画の中で神を演じるなどの俳優としての顔も見せている。私生活では音楽関係者とパートナーシップを築きつつ家庭を持ち、アーティストとしての活動を続けている。

総じて、アラニス・モリセットは1990年代のポップ/ロックの重要人物の一人であり、自己表現の率直さとメロディの力で長年にわたって支持されているシンガーソングライターである。