"All your base are belong to us" (しばしば "All Your Base", "AYBABTU", または単に "AYB" と略される) は、2001年から2002年にかけて、Flashアニメーションを用いてインターネット上で現象が始まった砕けた英語のフレーズである。このフレーズは、日本でトアプランが制作したビデオゲーム「ゼロウィング」の欧州版セガ・メガドライブ版の冒頭部分から引用された。ゲーム中の言葉はすぐに英語に翻訳されたため、あまり意味をなしていない。この「All your base are belong to us」という言葉は、当初、Something Awfulのメッセージフォーラムで人気を博した。
起源と文脈
このフレーズは、1991年にリリースされたシューティングゲームZero Wing(開発:トアプラン)の欧州版のオープニングで表示される英訳テキストの一節に由来します。欧州向けのローカライズ(英訳)作業で、翻訳の質が低く、本来の意図どおり自然な英語になっていなかったため、奇妙で面白い断片的なセリフが残りました。ゲーム中には他にも「Somebody set up us the bomb」「You have no chance to survive make your time」といった、不自然な英語の台詞が登場します。
なぜミームになったのか
- 言葉の不自然さとユーモア性:文法的に明らかに誤っているため、見た人が笑いや驚きを感じやすく、引用・パロディに向いていました。
- 初期インターネット文化とツールの存在:Flashアニメーションや画像加工が手軽に行える環境、掲示板やフォーラムでの拡散があったため、短期間で人気が広まった。
- 容易な置き換え・再利用:「All your base」は画像のキャプション、Tシャツ、ステッカー、動画や音声のリミックスなど、様々なメディアに転用しやすかった。
- コミュニティの力:特にSomething Awfulのような大手フォーラムで取り上げられたことが拡散に拍車をかけました。
拡散の形と具体例
2001–2002年ごろ、以下のような形でフレーズが二次創作されました:
- FlashアニメーションやBGMを付けた短編動画
- ゲーム画面のスクリーンショットにフレーズを重ねた画像(いわゆる画像マクロ)
- Tシャツ、ステッカー、バナーなどのグッズ化
- 掲示板のシグネチャに貼られるなどのネット上の定型表現化
文法的な解説(なぜ“おかしい”のか)
原文の “All your base are belong to us” は英語として次のような問題を含みます:
- 冗長な助動詞の併用:“are belong” のように be 動詞と動詞を同時に使う構造は誤りです。正しくは “belong” のみで十分です。
- 語の単複の扱い:“base” は文脈によって単数・複数の扱いがあいまいですが、英語では普通 “All your bases belong to us”(すべての基地は我々のものだ)や “All of your base is ours” のように表現します。
- 語順や冠詞の省略:直訳的な処理により、自然な英語の語順や冠詞(the, of など)が欠けている箇所があります。
文化的な影響と評価
“All Your Base” はインターネット・ミーム史における代表的な事例の一つです。初期のバイラル現象として、ユーザーが身の回りのコンテンツを加工・再配布する「リミックス文化」の先駆けになりました。また、このミームは学術研究やメディア論、デジタル文化を扱う書籍・論文でもしばしば引用され、ネット上の言語変容やコミュニティ生成力(collective creativity)を示す例として取り上げられています。
派生表現と略称
よく使われる略称や派生表現には次のものがあります:AYBABTU(All Your Base Are Belong To Usの頭文字)、All Your Base、さらに短くして AYB。これらはいずれも同じミームを指す略称としてインターネット上で広く通用しています。
まとめ
「All your base are belong to us」は、翻訳の齟齬から生まれた不自然な英語フレーズが、インターネットとユーザー生成コンテンツの力で世界的なミームになった好例です。文法的には正しくない表現ですが、その不可解さと転用のしやすさが受け手の創作意欲を刺激し、初期ウェブ文化の象徴的な現象となりました。英語として正しく言うならば、状況に応じて “All your bases belong to us” や “All of your base is ours” のように言い換えるのが自然です。

