リベラーチェとしてとして知られるヴァレンティーノ・リベラーチェ(本名 Władziu Valentino Liberace、1919年5月16日 - 1987年2月4日)は、ポーランドとイタリアの血を引くアメリカのピアニスト、ヴォーカリストである。ウィスコンシン州で生まれ、幼少期からピアノに親しみ、舞台人としての感性と派手な演出で早くから注目を集めた。卓越したテクニックと観客を惹きつけるエンターテイナー性を兼ね備え、クラシックの名曲からポップス、ショー・チューンまで幅広いレパートリーで人気を博した。

リベラーチェの職業人生はおよそ40年に及び、コンサート、レコーディング、映画出演、テレビ番組、広告出演など多岐にわたった。特に1950年代から1970年代にかけては、ステージ衣装に施されたスパンコールやラインストーン、灯されたシャンデリア風の燭台(キャンドルブラ)を飾った特注ピアノなど、視覚的にも強烈なイメージを確立し、「世界で最も稼いだエンターテイナー」の一人として知られるようになった。

音楽面では、クラシックの名曲をわかりやすく編曲して大衆に伝える手腕が評価された。難曲をわかりやすく聴かせる演奏スタイルと、観客との軽妙なやり取り、ユーモアを交えたパフォーマンスが魅力で、テレビやラスベガスの常連公演により幅広い支持を得た。レコード売上やツアー収入、テレビ出演料、商品展開により莫大な収入を得た点も特徴的である。

私生活では私的な面を公にすることはほとんどなく、プライバシーや名誉をめぐる訴訟に関わることもあった。晩年は健康問題が深刻化し、1987年にエイズ関連の合併症で死去したことが発表され、死後にその経緯や私生活をめぐる議論が再燃した。死後も彼の派手な衣装や舞台演出、エンターテイナーとしての道の切り開きは、ラスベガスやショー・ビジネス界に大きな影響を残している。

近年では、彼の生涯を描いた伝記や映像作品(例:回顧録や映画化作品)を通じて、新しい世代にも関心が広がっている。リベラーチェは単なるピアニストにとどまらず、「見せる音楽」を極めたエンターテイナーとして、音楽とショーアップの融合を後世に残した人物である。