ウィラード・ミット・ロムニーWillard Mitt Romney、1947年3月12日生まれ)は、アメリカの実業家であり政治家です。ロムニーは、2019年1月3日からユタ州のアメリカ合衆国の上院議員であり(共和党)、2003年から2007年まで第70代マサチューセッツ州知事を務めました。2008年の選挙で共和党推薦で大統領候補を目指しましたが、予備選ではアリゾナ州ジョン・マケイン上院議員に敗れ、本選出馬はなりませんでした。

ロムニー氏は2012年に再び共和党の大統領候補指名を目指し、党内予備選でリック・サントラム(前ペンシルバニア州上院議員)や前下院議長のニュート・ギングリッチ氏らを破って候補指名を獲得しました。副大統領候補にはウィスコンシン州ポール・ライアン下院議員を選び、現職のオバマ大統領に挑みました。選挙では、選挙人票でオバマ大統領の332票に対し206票にとどまり、敗北しました。

2016年の大統領選に際しては、党内の指導者としてドナルド・トランプの一部の主張を公然と批判し、支持を表明しない立場を取りました。選挙では一時期、ゲイリー・ジョンソン(リバタリアン党)を支持する意向を示したことも報じられました。トランプ氏の当選後、一部でロムニー氏が国務長官に起用される可能性が取りざたされましたが、その職は実業家のレックス・ティラーソン氏が務めました。

2018年2月16日、ユタ州のオーリン・ハッチ上院議員が退任を発表した後、ロムニー氏は2018年の上院選に出馬しました。2018年6月には共和党の上院候補指名を獲得し、総選挙では有権者からの支持を得て、退任するオーリン・ハッチ上院議員に代わって圧勝し上院議員に就任しました。

初期の経歴と学歴

ロムニーはミシガン州デトロイトで生まれ、父は自動車業界の経営者でありミシガン州知事を務めたジョージ・W・ロムニー(George W. Romney)です。若年期に教会の宣教師としてフランスで布教活動を行い、その後ブリガムヤング大学(Brigham Young University)で学士号を取得しました。1975年にはハーバード・ビジネススクールでMBA、ハーバード・ロー・スクールで法務博士(JD)を取得し、経営と法律の両面での教育を受けています。

ビジネスと五輪での手腕

卒業後は経営コンサルティング会社Bain & Companyに勤務し、のちに1984年に投資会社Bain Capitalを共同設立しました。Bain Capitalでの活動を通じて投資・経営の実績を積み、1999–2002年には2002年ソルトレイクシティ冬季オリンピックの組織委員会のトップとして、大会再建と財政立て直しを主導しました。この経験が政治面での評価を高める一因となりました。

政治家としての特徴と主な政策

州知事時代には、医療保険制度の改革(いわゆる「ロムニーケア」)などを推進し、個人責任と市場原理を重視する一方で、政策面では比較的中道的な立場を取ることが多いと評価されています。大統領候補としては、経済・財政の健全化、規制緩和、強い対外政策を掲げましたが、州知事時代の政策と大統領候補としての主張の間で批判されることもありました。

上院議員としては、党の方針に賛同する場面が多い一方で、党内から独立して判断を下すこともあり、特にトランプ大統領をめぐる問題では異なる立場をとることがありました(例:上院での弾劾裁判において有罪とする票を投じたことが注目されました)。

私生活

私生活では、アン・ロムニー(Ann Romney)と結婚し、子どもは5人の息子がいます。末永く教会活動に関わる信仰心の厚い人物として知られ、ユタ州に居住しています。また、公の場での身だしなみや演説での落ち着いた印象から、経営者出身の現実主義的な政治家というイメージが強いです。

評価と現状

ロムニーはビジネスと行政の両面での経験を併せ持つ政治家として国内外で知られており、党内では保守派と穏健派の橋渡し役を期待されることもあります。一方で、党の基盤からは距離を置かれる場面もあり、今後も上院での発言や投票行動が注目される人物です。