スプリングフィールド(マサチューセッツ州)—バスケットボール発祥の地|概要と名所
バスケットボール発祥の地スプリングフィールド:ジェームズ・ナイスミス記念殿堂やクアドラングル博物館、フォレストパークなど見どころ満載の歴史と文化の街。

スプリングフィールド(Springfield)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州西部に位置する都市です。中心部の住民は2010年の国勢調査で153,084人と報告され、周辺を含めたメトロポリタン・スプリングフィールドの人口はおよそ70万人に上ります。スプリングフィールドはコネチカット川沿いで最大の都市であり、複数の支流がコネチカット川に流れ込む“自然の十字路”の地にあります。市は技術や産業の面で多くの発明が生まれたことから「先発の街(City of Firsts)」というニックネームでも知られています。
主な発明・出身の発明家
- バスケットボールというスポーツは1892年にスプリングフィールドで発明されました。ジェームズ・ナイスミス記念バスケットボール殿堂があります。
- アメ車は1893年にそこで発明されました。
- アメリカのオートバイは1901年にスプリングフィールドで発明されました。
- 近代的な消防車は1905年にそこで発明されました。
- 民放ラジオ局は1920年にそこで発明されました。
- 1950年にスプリングフィールドでUHFテレビ局が発明されました。
これらの「初めて」は市内の博物館や史跡で紹介されており、地域の産業史や技術史を学ぶよい材料になっています。
位置と交通
スプリングフィールドはコネチカット州ハートフォードの近くにあり、両都市の距離は約24マイル(約38キロ)です。航空アクセスは主にブラッドリー国際空港から運航しています。スプリングフィールドからブラッドリーまでは約12マイル(約19 km)です。州間高速道路や幹線道路、地域鉄道・バス網も整備されており、ニューヨーク、ボストン、モントリオール、アルバニーなどの大都市圏へもアクセスしやすい立地です。
歴史と文化
スプリングフィールドは17世紀に入植され、産業革命期以降は製造業や研究開発で発展しました。教育機関や博物館が集まる地区もあり、文化的な施設も充実しています。多くの移民を受け入れてきた歴史から多様なコミュニティが形成され、料理や祭りなどにもその影響が見られます。
著名な出身者
多くの有名人がスプリングフィールド出身です。作家のセウス博士もこの街の出身で、児童文学に多大な影響を与えました。有名な画家ジェームズ・マクニール・ウィスラーもここに住んでいた時期があります。LSD活動家のティモシー・リアリーもここで生まれました。また、ボードゲームの製作で知られるミルトン・ブラッドリー(Milton Bradley)や、加硫ゴム(vulcanized rubber)を実用化してゴム産業に貢献したチャールズ・グッドイヤーもスプリングフィールドとゆかりがあります。
ニックネームと緑地
スプリングフィールドには他に「森の中の街」と呼ばれることがあり、市内には広い公園や樹木の多い通りが残っています。また、大きなヴィクトリア朝の邸宅が多く残ることから「家の街」と称されることもあります。フォレストパークなどの緑地は住民と来訪者の憩いの場です。
スポーツと娯楽
スプリングフィールドにはかつてプロスポーツチームがあり、地域のスポーツ文化は盛んです。市内には2つのプロスポーツチーム、スプリングフィールド・ファルコンズ(Springfield Falcons AHLアイスホッケーチーム)とスプリングフィールド・アーマー(Springfield Armor NBA Dリーグバスケットボールチーム)がホームを構え、どちらもメインストリートにあるマスミューチュアルセンターで試合を行っていました。地元ではアマチュアスポーツや大学スポーツも盛んです。
交通網と川
ニューヨーク、ボストン、モントリオール、アルバニーなどの大都市に近いため、スプリングフィールドには多くの電車やバスが集まっています。また、ニューイングランド最大の川であるコネチカット川にも隣接しています。これにより物流やレジャーの拠点としての役割も果たしています。
見どころ(観光スポット)
スプリングフィールドを訪れたら、まずはバスケットボールの殿堂(Naismith Memorial Basketball Hall of Fame)を見学するのが定番です。さらにドクター・スース(Dr. Seuss)に関連する彫刻や展示を含む、クアドラングル博物館(美術・科学・歴史の各博物館群)も見応えがあります。ナイトライフが楽しめるクラブ・クォーターや、動物園、各種スポーツ施設、湖や広場のあるフォレストパークなど、家族連れから一人旅まで楽しめるスポットが揃っています。
実用情報
街にはレストランやカフェ、宿泊施設が揃っており、季節ごとのイベントやマーケットも開催されます。訪問前には博物館や施設の開館時間、交通手段、季節の天候(四季のある温帯性気候で、冬は寒く雪が降ることがあります)を確認するとよいでしょう。
スプリングフィールドは「発明」と「文化」が交差する街として、歴史を感じさせる建物と現代的な施設が混在する魅力的な都市です。初めて訪れる方も、ゆっくり回れば街の多様な側面を堪能できます。

スプリングフィールドにあるバスケットボール殿堂。バスケットボールは1892年にスプリングフィールドで発明されました。
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