Ćevapčići(セルビア・クロアチア語で小さい ćevap を指す複数形、俗に Ćevapi とも呼ばれる)は、皮のない焼きソーセージ風の肉料理で、細長く成形した挽き肉を炭火で焼いて作ります。主に牛肉や豚肉、場合によっては羊肉を使い、塩・こしょう・パプリカやにんにくなどで軽く味付けします。元々はボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボ周辺で広まったとされ、旧ユーゴスラビア圏を中心にチェコ共和国や北マケドニア、イタリアのトリエステ・ゴリツィア周辺などでも見られます。皿で単品として出されるほか、平べったいパン(lepinja、somun)に挟んで提供されることが一般的です。付け合わせには刻んだ玉ねぎ、サワークリーム、kajmak、ajvar、カッテージチーズ、あるいは各種のソースがよく用いられます。

アルバニアの地域では Qebapa / Qofte と呼ばれる類似料理があり、特にティラナ等では牛肉と豚肉を半々に挽いて味付けし、焼いて提供することが多いです。フライドポテトや生の刻み玉ねぎを添え、サワークリームや各種スパイスとともに皿盛りにすることが一般的です。薄い丸いパン(トルコのピタに似た)であるレピンジャに挟んで食べることもよくあります。伝統的な調理法は炭火でのグリルであり、香ばしい焼き色と煙の風味が特徴です。セルビア国内でも地域ごとに呼び方やサイズが異なり、例えばレスコヴァッチ(Leskovac)地方の ćevapi はボスニア産に比べて長め(通常10〜12cm)で、ボスニアの一般的なサイズ(約5〜8cm)とは対照的です。この料理は19世紀にベオグラードで流行し、その後ユーゴスラビア全域、さらにヨーロッパアメリカなど世界各地へ広まりました。

ボスニアでは、サラエボやバーニャ・ルカのバシュチャルシヤ地区で作られる ćevapi が特に有名です。地域ごとに肉の配合や成形法、添え物に違いがあり、例えばトラヴニクやトゥズラなどにはその土地特有の風味や調理法があります。ボスニアでは通常、挽き肉を手でよく練り、じっくり冷やしてから漏斗などで細長く成形して焼きます。バーニャ・ルカでは4本を一組にして出すスタイルが知られています。マケドニアでは豚肉と牛肉を混ぜて作ることが多く、1人前に5~10本ほど提供され、白パンや刻んだ赤唐辛子、生玉ねぎを添えて出されるのが一般的です。

ルーマニアでは類似の肉料理が Mititei(ミティテイ)と呼ばれ、香辛料と挽き肉を混ぜて焼く点で共通しています。

チェコ共和国/スロバキアでは、čevapčiči(チェヴァプチチ)は一般にマスタード、生の玉ねぎ、ジャガイモ(茹でるかフライドポテト)と一緒に食べられることが多いです。各国で肉の種類やスパイスの配合、盛り付け方に幅があるため、同じ名前でも味わいは地域ごとに異なります。

·        

バーニャ・ルカのムジョのĆevapi

·        

ムジョの店で出されるĆevapiの一皿

·        

モンテネグロのフライドポテトを添えたĆevapčići

調理のポイントと食べ方

  • 肉は粗めに挽くことが多く、食感を残すために過度に滑らかにしないのがコツです。
  • 成形後に冷蔵庫で落ち着かせると焼いたときに形が崩れにくくなります。
  • 炭火で短時間に強火で焼き、表面に焦げ目を付けつつ中はジューシーに仕上げるのが伝統的。
  • lepinja や somun に挟んで食べると、肉汁とソースがパンにしみて非常に相性が良いです。

Ćevapčići は手軽で人気のあるストリートフードでありながら、地域ごとの伝統や家庭の味が色濃く残る料理です。各地で異なるレシピや付け合わせを試してみると、同じ名前でも幅広いバリエーションが楽しめます。