コロブス(アフリカのサル)とは — 生態・食性・社会構造と天敵
コロブスの生態・食性・社会構造と天敵を解説。反芻消化や共有育児、チンパンジーによる捕食の実態を写真とデータで詳述。
コロブスはアフリカ原産のサル属で、親指が退化して短くなっていることが名前の由来です。語源はギリシャ語のκολοβός(κολοβός)で、「切り株のように短い」を意味します。体格や毛色は種によって異なり、典型的には小〜中型の樹上性サルで、長い尾を持ち、親指が短いため枝からのつかまり方や移動様式に特徴があります。
生息地と分布
コロブス属のサルはアフリカ大陸全域に分布し、熱帯雨林や二次林、河川沿いの林、森林と草地が混在する環境など、さまざまな森林環境に適応しています。種によって低地林から山地林までの幅広い標高帯に生息します。森林破壊や生息地の断片化は一部の種にとって深刻な脅威です。
外見と適応
毛色は黒白のコントラストがはっきりした種がよく知られますが、赤みを帯びた種やオリーブ色の個体群もいます。四肢は長く強く、枝間を跳躍して移動することに長けています。消化器系は特殊化しており、葉を主食とするために前胃(胃の前部)で発酵を行う仕組みを持つことが知られています。この「前胃発酵」により、繊維質の多い葉を効率よく分解・栄養化して利用できます。
食性・摂食行動
基本的に草食性で、葉を中心に、果実、花、小枝などを食べます。若葉や芽など栄養価の高い部位を選んで食べることが多く、季節によって食物資源を変えながら生活しています。前述の通り消化管の特殊化によって、他の多くの霊長類が利用しにくい葉資源のニッチを占有できます。
社会構造と繁殖
多くのコロブスは単一オス・複数雌(harem)から構成される群れで生活し、群れの平均サイズはおよそ数頭から十数頭程度(報告によっては約9個体程度)です。オスは縄張りをもち群れを守りますが、若い雄はバチェラー(独身)群を形成することもあります。交尾や繁殖のタイミングは地域や種によって異なりますが、妊娠期間は数か月(一般的には約5〜6か月程度)で、生まれた乳児は多くの種で最初は白っぽい毛色をしていることが知られています。
マザーリング(共同育児)が観察され、乳児は生物学的な母親だけでなく群れの他の個体からも世話を受けます。これにより育児負担が分散し、生存率の向上につながります。若い個体は数年で性成熟に達し、成獣になると群れを離れて新たな社会関係を築くことが多いです。
行動とコミュニケーション
樹上生活者としての行動が中心で、枝間跳躍や木の幹を使った移動が得意です。仲間とのコミュニケーションは鳴き声、姿勢、毛を逆立てるなどの視覚的信号で行われ、集合や警戒行動、領域宣言などに使われます。
天敵と捕食
自然下での捕食者にはヒョウやワシなどの猛禽類、そして大型の肉食獣が含まれます。さらに、群れにとって重大な脅威となるのが大型霊長類による捕食行動です。本文にもあるように一般的なチンパンジーによる組織的な狩りでコロブスが捕食されることが観察されており、ジェーン・グドールは、チンパンジーがコロブス猿のような小さな霊長類を協力して狩る様子を詳細に記録しました。ゴンベの研究では、チンパンジーが毎年公園内のコロブスの3分の1の個体数を捕食しているという報告があり、これは獲物を共同で追い詰める高度な狩猟行動の例として注目されました。
また、人間による狩猟(ブッシュミート)、生息地の破壊・断片化も重大な捕食的・圧力要因となっており、これらが個体群減少の主な要因となっています。
保全状況と人間との関係
種や地域によって保全状況は異なり、いくつかのコロブス種は絶滅危惧種に指定されています。主な脅威は森林伐採による生息地喪失、農地開発、狩猟、さらには道路建設などによる断片化です。保全のためには生息地の保護、地域コミュニティと連携した持続可能な利用管理、密猟対策が重要です。
まとめると、コロブスはアフリカの森林環境に特化した草食性の霊長類で、特殊な消化器構造と社会的な子育て行動を持ちます。一方で自然捕食者や人間活動による影響を受けやすく、種ごとの保全対策が求められています。
質問と回答
Q: 「コロブス」という言葉はどういう意味ですか?
A: 「コロブス」という言葉はギリシャ語の「κολοβός」に由来し、「ドッキングした」という意味です。これは、親指がただの切り株になっていることを意味しています。
Q:コロブス猿は何を食べるの?
A:コロブスは草食性で、葉っぱや果物、花、小枝などを食べるよ。
Q:コロブスはどこに住んでいるの?
A:一次林、二次林、河岸林、雑木林の草原などに生息しています。
Q:コロブスの群れは何匹で構成されているの?
A:コロブスは9頭くらいの縄張りを持って生活しています。
Q:生まれたばかりのコロブスはどんな姿をしていますか?
A:生まれたばかりのコロブスは真っ白です。
Q:群れの中で誰が乳児の世話をするのですか?
A:実の母親だけでなく、群れの他のメンバーも共同で世話をします。
Q:ジェーン・グドールはチンパンジーの食事と行動に関して何を発見したのですか?
A:ジェーン・グドールは、チンパンジーがコロブス猿のような小型の霊長類を狩り、食べていることを発見した。彼女は、ある狩猟集団がコロバスを木の高いところに隔離し、すべての出口を塞いだ後、チンパンジーが登ってきてコロバスを捕らえ、殺すのを目撃しました。これは、チンパンジーの食事や行動に関するこれまでの概念を覆す、科学的に重要な発見でした。
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