オニヒトデ(Acanthaster planci)とは 生態・特徴・毒性・分布とサンゴ食害

オニヒトデAcanthaster planci)は、ウミウシではなく、トゲに覆われた大型のヒトデ(棘皮動物)です。体色はオレンジがかった赤から紫がかったものまで変異があり、皮膚上には黄色やピンクの トゲ が密生しています。腕の本数は個体差が大きく、通常は7〜23本程度で、全体の直径は種や個体によりますが、最大で約60cm程度(報告によってはさらに大きい個体もある)になることがあります(直径に注意)。分布は広く、太平洋、インド洋、紅海など暖海域のサンゴ礁に生息します。

食性と摂食方法

餌はサンゴのポリプを主に摂食します。夜間に活発に摂食することが多いものの、昼間でも食べることがあります。オニヒトデは被食対象のサンゴの上に乗り、胃を外に反転させて消化酵素(消化酵素)を分泌し、サンゴ組織を溶かして液体化した部分を吸収します。摂食の結果、サンゴの骨格だけが残されることが多く、集団で増えるとサンゴ礁に甚大な被害を与えます。

色彩と警告性

普段は淡い茶色から灰緑色など落ち着いた色合いを示すことが多いですが、生息域や個体群によっては鮮やかな色彩を示すものもあります。こうした派手な色は、捕食者に対する警告と考えられ、毒を持っていることを知らせる 警告色 として機能します(この毒性に関しては下記参照)。

毒性と人への影響

オニヒトデのトゲには刺されると強い痛みを伴う毒が含まれており、刺傷による疼痛、腫脹、発赤などの局所症状が起こります。まれに全身症状(吐き気、めまい、ショック様状態など)を引き起こすこともあるため、素手で触れないことが重要です。刺された場合の一般的な対処としては、トゲを慎重に取り除き、患部を洗浄して、痛みが強い場合や異常が続く場合は医療機関を受診してください(応急処置は症状により異なるため、専門家の指示に従ってください)。

繁殖・発生と大量発生(アウトブレイク)

オニヒトデは放卵・放精による外部受精で繁殖し、1個体あたり放出する卵の数は非常に多く、条件が揃えば幼生の生存率が上がり大発生(アウトブレイク)を引き起こします。陸域からの栄養塩流入(富栄養化)や天候変動、捕食者の減少(狩猟や生態系の変化による)などが重なると、幼生の生残率が上がり個体数が爆発的に増えることがあります。オニヒトデの大発生はサンゴ被覆率の急激な低下や礁構造の劣化を招き、生態系サービスに深刻な影響を与えます。

天敵と管理・駆除法

自然の天敵には大型の巻貝(例:トリトンガイなど)、一部の魚類やナマコ類などが知られていますが、これらの捕食圧が弱まるとオニヒトデは増えやすくなります。人為的な対策としては、潜水員による個体の手作業での除去や注射による駆除(現場で効果的とされる溶液を用いる方法)などが実施されています。管理では流域の栄養負荷低減や漁業管理を通じて生態系全体のバランスを回復させることも重要です。

保全上の考え方

オニヒトデはサンゴ礁生態系にとって重要な構成種である一方、異常増殖はサンゴ礁の健康を損ないます。そのため、単に駆除するだけでなく、流域管理、捕食者の保全、モニタリング体制の強化など総合的な対策が求められます。観光や漁業への影響があるため、各地で地域社会と連携した対策が行われています。

参考:本文中の各種リンクは元の表記を保持しています。オニヒトデに触れる・駆除する際は安全を最優先にし、専門機関の指示に従ってください。

珍しい鮮やかな色のオニヒトデ(タイZoom
珍しい鮮やかな色のオニヒトデ(タイ

いばらの冠のヒトデZoom
いばらの冠のヒトデ

サンゴ礁への影響

オニヒトデは、特に世界遺産であるグレートバリアリーフのサンゴを食べるという破壊的な習性でよく知られています。通常、このウミウシは、数が少ないときには、成長の早いサンゴがサンゴ礁を占拠するのを防ぐことで、サンゴ礁の維持に貢献しています。しかし、オニヒトデの数が多すぎると、サンゴ礁を荒らしてしまいます。

質問と回答

Q:オニヒトデとは何ですか?


A:オニヒトデは、海星の一種です。

Q:オニヒトデの皮膚の色は何色ですか?


A:通常、オレンジ色から紫色の皮膚で、黄色やピンクのトゲがあります。

Q: オニヒトデはどのくらいの大きさになるのですか?


A: オニヒトデは世界で最も大きなヒトデのひとつで、直径は3フィートにもなります。

Q: オニヒトデはどこに住んでいるのですか?


A: 太平洋、インド洋、紅海の温暖な場所に生息しています。

Q: 何を食べているのですか?


A: 通常は夜間にサンゴのポリプを食べます。

Q:サンゴはどうやって餌を得るのですか?


A:獲物の上に登り、消化酵素を分泌して食べ物を分解し、液状になったサンゴのポリプを吸収します。

Q: オニヒトデの一部に明るい警告色があるのはなぜですか?


A: オニヒトデの広い範囲の一部では、鮮やかな警告色で派手になっていることがあります。この色は、オニヒトデを食べようとする動物に、オニヒトデが毒を持っていることを知らせるものです。

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