デルタルーンは、アメリカのインディー開発者トビー・フォックスが制作したロールプレイング・ビデオゲームです。物語は、地表にモンスターが共存する世界を舞台にしており、プレイヤーは人間の少年クリス(Chris)を操作します。クリスとクラスメイトのスージーは、学校の一室から突如として"ダークワールド"と呼ばれる異世界へ落ちてしまい、そこで出会ったラルセイ(Ralsei)から「世界のバランスを取り戻すヒーロー」であると告げられます。プレイヤーはダークワールドに存在する闇の泉を封印するために探索を行い、その道中で「ダークナー」と名乗る様々な存在や、個性的な敵味方キャラクターと遭遇します。
ゲームプレイの特徴
本作の戦闘システムは、従来のターン制RPGにアクション要素を組み合わせた独自のものです。戦闘はパーティ制で進行し、プレイヤーは自分の"ハート"(ソウル)を操作して敵の攻撃を避ける弾幕(いわゆる「弾幕地獄」)的な回避パートをこなします。同時に、各キャラクター固有のコマンド(攻撃・防御・特技・交渉など)を選択して行動します。
特徴的な要素
- 戦闘中に敵と「話す(ACT)」ことで和解や状況変化を起こし、戦闘を平和的に解決できる選択肢がある。
- パーティメンバーの行動や立ち回りが戦闘結果に影響し、単純な殴り合い以外の戦術が重要となる。
- 弾幕回避の難易度やパターンは多彩で、アクション性と戦術性のバランスが取られている。
- 選択肢や行動によって一部イベントや会話が変化し、物語の見え方が変わることがある。
グラフィックと演出
ゲームのグラフィックは、16ビット風のドット表現をベースにしており、雰囲気やキャラクターデザインは『EarthBound』や『マリオ&ルイージ:スーパースターサーガ』、『クロノトリガー』などの日本の古典的なRPGを想起させます。演出面ではシンプルながら感情表現を重視したモノクロや限定色の使い方、テキスト主体のユーモアある会話文が作品の個性を作り出しています。
主な登場人物(代表例)
- クリス(Chris):プレイヤーが操作する人間の少年。無口な描写が多く、プレイヤーの選択で性格の印象が変わることがある。
- スージー(Susie):クラスメイト。荒々しい性格で序盤は敵対的だが、物語を通じて関係が変化していく。
- ラルセイ(Ralsei):ダークワールドで出会う謎めいた存在。ナビゲーター的な役回りで、パーティの癒し役となる。
- ほかにも個性的な脇役やボスが多数登場し、会話や選択肢が物語を色付けする。
開発とリリース
本作はトビー・フォックスが主導して開発を進めたインディー作品で、作曲やシナリオ、プログラムの一部に本人が深く関わっています。第1章は2018年10月31日にMicrosoft WindowsとmacOS向けに無料で配布され、その後Nintendo Switch向けに2019年2月28日にリリースされました。PlayStation 4への移植も当初予定されていましたが、移植の対応状況や時期については開発側の発表により変動しています。
続編となる第2章はのちにリリースされ、フォックス氏は初期の段階で複数チャプター構成を示唆していました。さらに、彼は将来的にはチャプターをまとめた有料の完成版を配布する意向を示しており、最初のチャプター群が無料で提供された後の配布方針は段階的に発表されています。
音楽と演出
作者であるトビー・フォックスは作曲家としての評価も高く、本作のサウンドトラックはファンや批評家から高い評価を受けています。印象的なメロディと場面に合わせたアレンジで、ゲームの雰囲気作りに大きく寄与しています。
評価と影響
リリース後、本作はユーモアとキャラクター描写、音楽、戦闘システムなどが特に好評を博しました。一方で、第1章の短さや続編のリリーススケジュールに関する不透明さを指摘する声もありました。総じてインディーRPGとして高い支持を得ており、ファンコミュニティによる考察や二次創作も活発です。
Deltarune』はフォックス氏の前作『Undertale』(タイトルの『Deltarune』がアナグラムになっている)のスピンオフ的な側面を持ちますが、フォックス氏自身はキャラクターや設定に類似点があっても「『Undertale』の世界そのものではない」と明言しています。シリーズの今後の展開やチャプター配信に関しては、公式発表を注視するとよいでしょう。