土器とは:定義・特徴・種類・製法と磁器・テラコッタの違い

土器の定義・特徴・種類・製法を図解でわかりやすく解説。磁器やテラコッタとの違いや見分け方、保存方法まで丁寧に紹介。

著者: Leandro Alegsa

土器とは、一般的に低い温度で焼成され、焼成後も部分的に多孔質(小さな穴や空隙が残る)な陶器(陶器)のことを指します。低温で焼かれるため完全にガラス状に溶けず、多孔質のままであることが特徴です。このため水を通しやすく、実用に用いるには釉薬をかけて防水性を持たせる必要があります。

定義と主な特徴

土器は原料として粘土や砂、骨粉などを含む混合土を用い、成形後に比較的低温で焼成します。特徴を挙げると:

  • 多孔質:焼成後も小さな空隙が残るため、素焼きのままでは水が染みやすい。
  • 不透明で粒状の断面:割ると粒状のエッジが見えることが多く、不透明な外観を示す。
  • 成形のしやすさ:一般にろくろや手捻りなどで成形しやすく、装飾やテクスチャーをつけやすい。
  • 強度:同じ焼成条件ならば、一般的にストーンウェアや磁器よりも脆く、耐久性は劣る。

種類(代表例)

土器には多くの種類があり、釉薬や原料、焼成温度、用途によって呼び分けられます。代表的なものを挙げると:

  • テラコッタ:鉄分を多く含む赤い土で作った素焼きが多く、屋根瓦や植木鉢、彫刻に用いられる。本文中でも述べたように、テラコッタは土器の一種です。
  • マヨリカ(マヨリカ陶器)/ファイアンス:白く下塗りした上に色絵を施し、透明または不透明の釉で覆う西洋のtin-glazed土器。
  • 白土器:鉄分が少ない白っぽい土で作る土器。色が明るく、染付などの絵付けに向く。
  • スリップウェア:泥漿(スリップ)を用いて装飾する技法を施した土器。

製法(原料・成形・焼成・施釉)

基本的な工程は次の通りです。

  • 原料準備:粘土を精製・配合し、必要に応じて砂や粉末を混ぜる。
  • 成形:手捻り、ろくろ、鋳込み(スリップキャスティング)などで形を作る。
  • 素焼き/乾燥:ゆっくり乾燥させてひび割れを防ぎ、素焼きを行う場合もある。
  • 施釉:器を水漏れさせたくない場合や装飾を施す場合、釉薬をかけてから本焼きを行う。
  • 焼成:土器は一般に低温(製法や地域によるがおおよそ数百度〜1200℃程度)で焼かれ、完全なガラス化(ヴィトリフィケーション)には至らない。

焼成の温度や窯内の酸化/還元雰囲気は色調や強度に大きく影響します。

磁器・テラコッタとの違い

磁器(ポーセリン)との主な相違点

  • 焼成温度:磁器は高温(一般に1200〜1400℃程度)で焼かれ、ほぼ非多孔質になり高い強度と光沢を得る。
  • 透光性:磁器は薄手にすると光を通す(半透明や透光性)が、土器は一般に透光性がない。
  • 素材感:磁器は非常に硬く滑らかな表面を持ち、土器は粒状で粗い感触が残ることが多い。
  • ボーンチャイナについて:ボーンチャイナは骨灰を含む特殊な磁器の一種で、透光性があり薄手に成形可能。土器とは製法・原料ともに異なります(本文中の「土器には…ボーンチャイナや磁器のように薄いものまであります」という表現は誤解を招くため、ボーンチャイナは別カテゴリであることを補足します)。

テラコッタとの関係

  • テラコッタ(語源はイタリア語で「焼いた土」)は土器の一種で、特に赤褐色の素焼き製品を指します。多くは釉薬をかけずに素地のまま用いられます。
  • 用途や外観によってテラコッタは土器の代表的な例としてしばしば挙げられます。

用途と歴史的意義

土器は世界各地で古くから利用され、調理用の鍋、貯蔵容器、墓や儀礼用具、建築材(瓦やレンガ)、彫刻など用途は多岐にわたります。考古学では土器の形・釉薬・焼成技術の変化から文化交流や年代特定の重要な手がかりが得られるため、非常に重要な遺物です。18世紀以前は、特に中国以外の地域で広く一般的な陶器の形態でした。

まとめ

土器は低温で焼かれるため多孔質であり、独特の質感と風合いを持つ陶器の総称です。水を通しやすいため用途によっては釉薬を施す必要があり、磁器やストーンウェアと比較すると強度や透光性で明確に区別されます。テラコッタは土器の代表例で、不透明で素朴な美しさを持つことが魅力です。

土製のフラワーポットZoom
土製のフラワーポット

白い釉薬の上に多色の釉薬で描かれた土器のタイルのパネル2枚Zoom
白い釉薬の上に多色の釉薬で描かれた土器のタイルのパネル2枚

質問と回答

Q: 土器とは何ですか?


A:土器は多孔質で、溶けない温度で焼くとガラスのようなガラス質になる陶器の一種です。

Q: 18世紀まで中国以外の国で最も一般的だった陶器の種類は何ですか?


A: 18世紀まで、中国以外の国で最も一般的な陶器は土器でした。

Q:土器は焼くと柔らかくなるのか、硬くなるのか?


A:土器は焼成すると柔らかくなり、ナイフで傷をつけることができます。

Q: 土器は割れるとどうなるのでしょうか?


A:土器は割れた時に粒状に見えます。

Q:土器は釉薬をかけないと水密性がないのですか?


A:多孔質であるため、釉薬をかけないと水密性が保てません。

Q:テラコッタとは何ですか?


A:テラコッタは土器の一種です。

Q:土器は石器より強いのですか、弱いのですか?


A:土器は炻器より弱いです。


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