ストーンウェア(Stoneware)とは?定義・特徴・焼成温度と土器・磁器の違い
ストーンウェアの定義・特徴と焼成温度を図解で解説。土器・磁器との違いや判別ポイント、製法と歴史まで初心者にもわかる入門ガイド。
ストーンウェア(英: stoneware)とは、比較的高温で焼成される陶磁器の一分類であり、使い勝手の良さと耐久性を兼ね備えています。狭義の「陶器」よりも高温で焼かれ、釉薬をかける場合・かけない場合のどちらでも作られます。歴史的には、土器のあとに発展し、磁器の前に位置づけられることが多く、磁器に比べてより多様な種類の粘土(陶土)から制作できる点が特徴です。
ストーンウェアの主な特徴
- 部分的あるいは完全なガラス化(ビトリフィケーション):高温で焼くことで粘土中の成分が溶け、焼き締まって密度が高くなります。結果として透水性が低く、釉をかけなくても比較的非吸水性になることが多いです。
- 強度と耐久性:焼成温度が高いため硬く丈夫になり、日常使用の器(食器・鍋類)や建築用陶材として広く用いられます。
- 色や質感の幅が広い:使用する粘土の種類や含有する鉄分、含沙やグロッグ(砕いた陶土)などで、焦げ茶〜灰色〜白に近い色味まで多様な表情が出ます。釉薬や窯の雰囲気(還元焼成・酸化焼成、薪窯など)でも表面が大きく変わります。
- 不透明または半透明:多くのストーンウェアは不透明ですが、釉薬や特殊な素地により半透明感が出ることもあります(磁器ほど透けないのが一般的です)。
焼成温度(目安)と歴史的背景
歴史的に高温に達することは大きな技術的課題でした。原始的な竪穴式や野外での焼成では比較的低温(数百度)での焼き締めしかできませんでした。実際、土器は600℃程度の低温でも焼成されますが、これは簡易な焼成法での話です。より進んだ焼成技術では、800℃〜1,100℃が一般的になりました。
現代の目安としては、
- 土器(Earthenware):約1,000℃〜1,200℃
- ストーンウェア(Stoneware):約1,100℃〜1,300℃(地域や用途により差があります)
- 磁器(Porcelain):約1,200℃〜1,400℃
これらはあくまで目安で、窯の種類や使用する粘土、求める性質によって前後します。一般的に現代の工房や産業では、ストーンウェアはおおむね1,100℃〜1,300℃前後で窯入れされます。(ピーレートやコーン番号でいうとおよそcone5〜cone10程度に相当する場合が多いです。)
土器・磁器との違い(比較ポイント)
- 焼成温度の違い:前述の通り、土器が最も低温、磁器が最も高温、ストーンウェアは中間〜高温。
- 透水性・ビトリフィケーション:土器は未焼成あるいは低温のため吸水性が高く、通常は釉薬で水密化します。ストーンウェアは高温で部分的にビトリフィケートし、釉がなくても比較的水を通しにくくなります。磁器は高温で完全にビトリフィケートし、一般に非吸水性で白色透光性を持ちます。
- 原料(粘土)の違い:土器は地域の土(鉄分が多いことが多い)を用いることが多く、ストーンウェアは比較的雑多な陶土や含砂粘土を使えます。磁器は主にカオリン(高純度の白い粘土)を主原料にします。
- 見た目と用途:土器は素朴な風合い、ストーンウェアは実用的で重厚感があり、磁器は白く精緻で器として高級感があることが多いです。
製造工程と釉薬・窯変のポイント
- 成形(手びねり、ロクロ、鋳込みなど)→素焼き(ビスケット)→釉掛け→本焼成、という二回焼成を採ることが多いですが、釉掛けせずに一回焼成で仕上げる場合もあります。
- 釉薬は機能面(防水、耐久)と美観面(光沢、色、窯変)を両立します。薪窯や還元焼成では藁灰や鉄分の影響で独特の窯変が生じ、ストーンウェアの魅力の一つになっています。
- 窯の種類(電気窯・ガス窯・薪窯など)や焼成雰囲気(酸化/還元)で色や質感が大きく変化します。特に陶芸家の作品ではこの違いが作品の個性になります。
見分け方と取り扱いの注意
- 見分け方:器の素地(釉の下や底の素地)を観察すると、ストーンウェアは色が濃くややザラつくことが多いです。叩いたときの音は磁器より低く、土器より密度感のある乾いた音になります。素地に水を垂らすと吸水しにくければストーンウェアの可能性が高いです。
- 取り扱い:ストーンウェアは耐久性が高くオーブンや電子レンジ対応で作られることも多いですが、釉薬や焼成の性質によるため、メーカーや作家の表示を確認してください。急激な温度変化(熱衝撃)には弱い場合があり、直火使用不可のものもあります。
用途と地域差
日常使いの食器、サービングウェア、陶板、花器、調理器具(キャセロール、ダッチオーブン的な用途)など幅広く使われます。東アジア(中国・日本・朝鮮)やヨーロッパの伝統的な焼き物には地域ごとに異なるストーンウェア文化があり、材料や窯焼き技術による特色が見られます。
まとめ
ストーンウェアは「実用性と美しさのバランス」に優れた陶磁器カテゴリーです。焼成温度は土器より高く磁器より低め、粘土の幅が広く表現の自由度が高い点が特徴。日常使いから作家物まで幅広く活用され、釉薬や焼成方法によって多様な表情を楽しめます。

建窯「兎毛」茶碗 南宋時代・12世紀 メトロポリタン美術館(下)
質問と回答
Q:ストーンウェアとは何ですか?
A:高温で焼成され、釉薬が施されているものと施されていないものがあります。
Q: 土器の後、磁器の前に開発されたものは何ですか?
A: 炻器は土器の後、磁器の前に開発されました。
Q: 炻器は磁器よりも幅広い種類の粘土から作ることができますか?
A: はい、炻器は磁器よりも幅広い種類の粘土から作ることができます。
Q: 歴史的に、高温に到達するための課題は何でしたか?
A: 歴史的に、高温に到達することは大きな課題でした。
Q: 現代の土器の焼成温度は?
A: 近代の土器は通常、窯で約1,000℃から1,200℃の範囲で焼かれます。
Q:石器の焼成温度は?
A: 石器は通常1,100℃~1,300℃の窯で焼かれます。
Q: 磁器の焼成温度は?
A:磁器は通常1,200℃~1,400℃の窯で焼成されます。
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