概要
内皮は、動脈、静脈、毛細血管を含む循環系の内面を覆う、連続した単層の細胞層である。リンパ管や心臓の表面も被覆している。流れる血液と血管壁の間に位置するこの組織は、ガス、栄養素、老廃物の交換を調節し、血管の恒常性にも積極的に関与する。これが担う系の一般的な概説については、循環器系を参照。
構造と分布
内皮細胞は扁平で多角形の細胞で、単層扁平上皮の一種に分類される。細胞は薄い基底膜の上に乗り、管腔側表面は糖質に富むグリコカリックスに覆われている。この配列は血管系全体にわたって連続した被覆を形成するが、細胞の性質は血管の種類や臓器によって異なる。たとえば脳毛細血管は厳密に密閉されている一方、腎糸球体毛細血管は有窓である。成人ヒトにおける内皮の表面積と質量は合計で非常に大きく、総表面積は平方メートル単位、総細胞量はおよそ1キログラム規模と見積もられることが多い。
主な機能
- 選択的バリア:透過性と経内皮輸送を制御する。
- 血管緊張:血管拡張因子と血管収縮因子を合成し、血流と血圧を調節する。
- 止血:抗凝固因子と凝固促進因子のバランスを保ち、不適切な血栓形成を防ぐ。
- 炎症と免疫:白血球の動員やサイトカイン応答を調節する。
- 血管新生と修復:発生、創傷治癒、疾患の過程で新しい血管の成長を導く。
発生と臨床的意義
内皮細胞は、胚発生の過程で中胚葉由来の前駆細胞(血管芽細胞)から生じ、血管形成と血管新生によって増殖する。成人では、内皮機能障害は動脈硬化、高血圧、糖尿病に関連する血管障害、敗血症を含む多くの一般的な病態の中心的特徴であり、血流障害、慢性炎症、血栓形成に寄与する。こうした役割のため、内皮は心血管治療や再生医療研究において頻繁な標的となっている。
特徴的な点と注目事項
内皮は、循環血液と直接接すること、また臓器ごとに特有の適応を示すことによって、ほかの上皮組織と異なる。変異型としては、連続型、有窓型、洞様型の内皮がある。管腔側のグリコカリックスと産生されるシグナル分子は、急速に変化する需要の調整に役立つ。その機能は、薬剤、代謝因子、せん断応力のような機械的力によって支えられることもあれば損なわれることもあり、健康と疾患の両方における動的な役割を示している。バリア特性の詳細については、内皮膜を参照。