シカゴのフィールド自然史博物館(Field Museum)とは — 展示品2100万点と恐竜「スー」の概要
シカゴのフィールド自然史博物館を徹底ガイド:2100万点の展示と世界最大のティラノサウルス「スー」を詳述。アクセス・見どころも紹介。
フィールド自然史博物館(Field Museum of Natural History)は、アメリカ・イリノイ州シカゴにある博物館です。ミシガン湖に隣接するレイク・ショア・ドライブにあります。館内には2100万点以上の展示品があります。
この博物館は1893年に設立されたもので、1893年の万国博覧会で展示されていた古い展示物を使用しており、その中には列車に関する展示物も含まれていました。創設には実業家マシャル・フィールド(Marshall Field)の支援が関係しており、その後も寄贈や調査によりコレクションは拡充されてきました。現在は展示だけでなく、博物館の学芸員や研究者による自然史・人類学・古生物学などの学術研究と教育活動の拠点にもなっています。
主な展示とコレクション
フィールド博物館には、「Evolving Planet」と呼ばれる生命の進化をたどる大型展示ホールがあり、恐竜や古代の生物から現代の生物多様性に至るまで、地球上の生命史を広い視点で紹介しています。恐竜の骨格標本は特に充実しており、来館者に人気のある展示のひとつです。
人間文化・人類学の展示では、古代のエジプトの遺物や、北米のアメリカ先住民文化、太平洋岸北西部の工芸、太平洋諸島の文化資料、チベットに関する資料など、多地域にわたる貴重な収蔵品が揃っています。これらの展示は考古学・民族学的な視点から地域文化の成り立ちや日常生活、宗教的表現などを分かりやすく伝えています。
剥製コレクションや動物標本も豊富で、2頭のアフリカゾウや、1996年の映画「ゴーストとダークネス」に登場したツァボのライオンなど、大型動物の剥製・骨格が展示されています。鉱物や宝石、植物標本(ヘルバリウム)なども重要な研究資源として保存されています。
「スー」(Sue)について
古代アメリカの展示では、アメリカ先住民の遺物が展示されているほか、世界最大かつ最も完全なティラノサウルスの骨格である「スー」も展示されています。「スー」は1990年に発見され、発見者の名前(Sue Hendrickson)にちなんで命名されました。発見場所はサウスダコタ州のチェイエン川保留地周辺とされ、骨格の保存状態が非常に良く、復元率は高いことで知られています。
「スー」は1997年の公開競売でフィールド博物館が落札し、以降は博物館の象徴的展示としてスタンレー・フィールド・ホール(大アトリウム)に常設展示されています。実物標本をもとに作られた複製は世界各地で展示され、古生物学研究や教育に大きく貢献しています。
研究・教育・公共活動
フィールド博物館は単なる展示施設にとどまらず、分類学、古生物学、地球科学、人類学など多様な分野での研究を行う学術機関です。収蔵資料は学術研究や種の保全、環境評価などにも利用され、一般向けの教育プログラム、学校向けの学習支援、講演会やワークショップなど、市民向けの活動も盛んです。
アクセスと周辺情報
博物館はシカゴのミュージアムキャンパス(Museum Campus)内に位置し、近隣にはシェッド水族館やアドラー・プラネタリウムなどの文化施設が並んでいます。ミシガン湖沿いという立地から四季折々の景観も楽しめ、観光ルートの一つとして訪れる人が多いです。来館前には公式サイトで開館時間や特別展の情報、チケット情報を確認することをおすすめします。
以上がフィールド自然史博物館の概要と主な見どころです。展示のスケールや学術的価値の高さから、自然史や古生物学、人類学に関心のある方には特におすすめの博物館です。

フィールド自然史博物館
百科事典を検索する