インライン・フォー・エー(フォー)・エンジンStraight-four)は、4つのシリンダーを持つ内燃機関である。4つのシリンダーは、1本のクランクシャフトに沿って直線的に取り付けられている。ガソリン、ディーゼル、天然ガスなど、さまざまな種類の燃料を使用することができる。

シリンダーのシングルバンクは、垂直方向(直立)の場合と、斜めになっている場合がある。シリンダーが斜めに取り付けられている場合は、スラントフォーと呼ばれることもある。直列4気筒エンジンを略語で記載する場合、I4またはL4longitudinalの意)と記載される。L4は、1という数字とIという文字の混同を避けるために使われることが多い。

直列4気筒のレイアウトは、機械的にシンプルで製造コストや整備性に優れている。シリンダーが同一平面上に並ぶため吸排気系や燃料供給系、ヘッド周りの設計が比較的単純になり、車両のパッケージングも効率的である。このため、多くのエコノミーカーやコンパクトカーで採用されている。

基本的な動作と点火順序

4ストローク式の直列4気筒では、クランクが720°回転する間に4回の点火が均等に起こるため、1回あたりの点火間隔は180°である。一般的な点火順序は 1-3-4-2 で、これにより振動やトルク変動をある程度均等化している。ただし設計によって点火順序が変わる場合もある。

バランス(振動)の特性

直列4気筒は、一次振動(ピストンの質量による慣性力の主要成分)の多くを相殺できるため、1〜3気筒エンジンより滑らかに回る。しかし二次振動(クランク回転速度の2倍で発生する成分)は完全には打ち消せないため、特に回転数が上がると上下方向や縦方向の細かい振動が顕著になる。さらに、クランクに沿ったシリンダー配置のために「ロッキングカップル(旋回モーメント)」が発生し、これも振動の原因となる。

これらの二次振動やロッキングカップルは、以下の方法で低減されることが多い:

  • バランスシャフト(クランク回転の2倍で回る慣性反対回転体)を組み込む
  • エンジンマウントにゴムや液体ダンパーを使う
  • クランクシャフトを強化し、主軸受(メインベアリング)を複数にする

利点(メリット)

  • 構造がシンプル:ヘッドやブロックが単純で生産コストと整備性が良い。
  • コンパクトで軽量:横置き(トランスバース)にも縦置き(ロング)にも対応し、前輪駆動車のエンジンベイに収めやすい。
  • 燃費性とコスト効率:部品点数が少なく、燃費改善や排出対策もしやすい。
  • 過給機との相性が良い:ターボチャージャーやスーパーチャージャーで高出力化しても設計が比較的容易。

欠点(デメリット)

  • 二次振動が残る:特に大排気量や高回転化すると振動・騒音が増える。これが原因で大型車や高級車では他のレイアウト(直列6気筒やV6)を選ぶことがある。
  • 排気量の上限が実用的に限定されやすい:排気量を大きくすると振動/構造強度の問題が顕著になりやすいため、多気筒化や別レイアウトが選ばれる。
  • エンジン長が長い:縦置きにすると車体前後のスペースを圧迫する場合がある。

実用上の配慮・設計対策

設計者は振動を抑えるために、ストロークやボアの比率(スクエア/オーバースクエア設計)、クランクの剛性、主軸受の数、バランスシャフトの採用、有効なエンジンマウントといった手段を組み合わせる。近年は精密なエンジン制御(可変バルブタイミング、直噴、精密な点火制御)や、遮音材の活用で振動や騒音を目立たなくする技術が進んでいるため、乗り心地の良い直列4気筒車は多い。

用途と代表的な採用分野

直列4気筒は、コンパクトカー、ミドルクラスの乗用車、軽トラック、商用車、オートバイ、船外機など広範に用いられている。経済性と汎用性の高さから、都市部での通勤車やファミリーカーで大変ポピュラーである。

まとめ

直列4気筒(I4)は、コスト、寸法、燃費のバランスに優れた実用的なエンジンレイアウトである。一方で、二次振動や大排気量化に伴う課題があり、用途や求められる性能に応じてバランスシャフトや異なるエンジン配置が採用される。設計と制御技術の進化により、現代のI4はかつてよりも滑らかで高性能になっている。