内部エネルギーとは:熱力学的定義・構成要素と計算方法

内部エネルギーを熱力学的定義・構成要素からやさしく解説。式と計算例で学べる、エネルギーの基礎と実践的な理解ガイド。

著者: Leandro Alegsa

力学における内部エネルギーは、境界で区切られた系(熱力学系、あるいは明確に定義された)が持つ全エネルギーのうち、系の重心運動などの巨視的運動エネルギーを除いた内部に蓄えられたエネルギーの総和を指します。通常はU(またはE)で表され、次のような成分を含みます。

定義と構成要素

  • 分子・原子の運動エネルギー(並進、回転、振動)
  • 分子間・原子間のポテンシャルエネルギー(化学結合エネルギー、格子ポテンシャルなど) — 元の文にもあるように、すべての化学結合のエネルギーや金属中の自由伝導電子のエネルギーが含まれます。
  • 原子やイオンの内部エネルギー(電子状態エネルギー、スピンエネルギーなど)
  • 固体や格子内の振動(フォノン)エネルギー
  • 必要に応じて系内の電磁場エネルギー(電磁放射、黒体放射など)

注意点として、内部エネルギーは系全体の重心運動に伴う運動エネルギーや静止質量に対応するエネルギー(特殊相対論的な質量エネルギーの大部分)は通常含めません。内部エネルギーは系の内部自由度に帰属するエネルギーです。

熱力学的性質

  • 状態関数:内部エネルギーは状態関数であり、系の現在の状態(温度・体積・物質量など)によって値が決まります。
  • 広義量(extensive):系の大きさ(質量や物質量)に比例して増減します。質量当たりの比内部エネルギー(u = U/m)やモル当たりの内部エネルギー(U_m = U/n)として扱うことも多いです。
  • 自然変数:内部エネルギーは一般にU(S,V,N)として表され、微分関係は dU = T dS - P dV + μ dN です。ここでTは温度、Sはエントロピー、Pは圧力、Vは体積、μは化学ポテンシャル、Nは粒子数です。
  • 最小化原理:断熱(S一定)で閉じた系(体積や粒子数が固定される場合)では平衡状態で内部エネルギーが極小になります。逆に等温・等圧条件では別の熱力学ポテンシャル(例えばエントロピー、ヘルムホルツ自由エネルギー、エンタルピーなど)が最適化されます。

第一法則(エネルギー保存)との関係

熱力学第一法則は内部エネルギーの変化を熱と仕事で表します。表記法には慣習の違いがあり、次の二通りがよく使われます。

  • ΔU = Q + W (ここでWは系に対してされた仕事)
  • ΔU = Q − W_by (ここでW_byは系が外にした仕事)

微分形では、可逆過程を仮定すると dU = δQ − δW(系がした仕事をδWとする)となり、機械的仕事だけならδW = P dVであるため可逆過程ではdU = δQ − P dVが成り立ちます。

計算・測定法

  • 古典熱力学的手法:等容比熱 C_V = (∂U/∂T)_V を用いて温度変化から内部エネルギー変化を求める。定容条件のカロリメトリ(ボムカロリメーター)はΔUを直接測定する代表的方法です。
  • 理想気体の例:単原子理想気体では内部エネルギーは温度のみに依存し、モル当たりで U = (3/2) n R T (nはモル数、Rは気体定数)。回転や振動の自由度が寄与する多原子分子では自由度に応じた寄与が加わります(高温では振動モードも寄与し、低温では量子効果で抑制される)。
  • 統計力学:内部エネルギーは系の微視的エネルギー準位の期待値として表せます。孤立系では U = Σ_i E_i p_i (E_iは状態iのエネルギー、p_iはその占有確率)。熱平衡のカノニカル分布では分配関数Zを用いて U = −∂ ln Z / ∂β (β = 1/(k_B T))という関係が使えます。これにより量子統計を含む詳細な内部エネルギー計算が可能です。
  • 放射(黒体)エネルギー:電磁放射や黒体放射を内部エネルギーに含める場合、単位体積あたりのエネルギー密度はプランク分布の積分から導かれ、平衡黒体ではu = a T^4(aは放射定数、a = 4σ/c、σはステファン–ボルツマン定数)となり、全エネルギーはU_rad = u Vです。

単位と慣用単位

SI単位はジュール(J)です。歴史的・実用的には次のような単位も用いられます。

  • 小さいカロリー(cal) = 4.184 J(料理や食品表示でいう「カロリー」は通常キロカロリー=1000 cal = kcal)
  • 電子ボルト(eV):原子・分子スケールのエネルギーに便利

補足と注意点

  • 内部エネルギーはその定義上、系の外部運動(例えば系全体の並進運動)を除きます。移動する容器ごとに扱う場合は座標系に注意が必要です。
  • 化学反応や相転移では内部エネルギーの変化に化学結合の生成・切断エネルギーや相固有のエネルギーが現れます。定圧過程では内部エネルギー変化とともに仕事の寄与が生じるため、反応熱を扱うときはエンタルピーとの使い分けが重要です(H = U + P V)。

以上より、内部エネルギーは熱力学と統計力学の両面から理解・計算される基本的概念であり、系の熱的性質や反応エネルギー、放射エネルギーなど多様な物理現象を記述する中心的な量です。

概要

内部エネルギーには、身体全体の並進運動エネルギーや回転運動エネルギーは含まれません。また、相対論的質量エネルギーに相当する E = mc2 も含まれません。ただし、誘導された電気的または磁気的双極子モーメントによる場内のポテンシャルエネルギーや、固体の変形(応力-ひずみ)のエネルギーはカウントされます。

古典的統計力学におけるエネルギーの等分割の原理は、各分子の自由度が1/2 kTのエネルギーを受け取るとしていますが、これは量子力学で特定の異常を説明する際に修正されました単原子ヘリウムや他の希ガスでは、内部エネルギーは個々の原子の並進運動エネルギーのみで構成されています。もちろん、単原子粒子は(感覚的に)回転や振動をしないし、非常に高い温度でない限り、より高いエネルギーまで電子的に励起されない。

統計力学の観点から、内部エネルギーは系の全エネルギーのアンサンブル平均に等しい。

質問と回答

Q:内部エネルギーを表す記号は何ですか?


A:内部エネルギーを表すのに使われる記号はU、またはEです。

Q:内部エネルギーにはどのようなエネルギーが含まれますか?


A:内部エネルギーには、分子の運動(並進、回転、振動)による運動エネルギーと、分子や結晶内の原子の振動や電気エネルギーに伴う位置エネルギーが含まれます。また、すべての化学結合や金属中の自由伝導電子に含まれるエネルギーも含まれます。

Q:内部エネルギーは状態関数ですか?


A:はい、内部エネルギーは熱力学的ポテンシャルであり、系の状態関数の1つです。

Q:内部エネルギーの測定にはどのような単位が使われますか?


A:内部エネルギーのSI単位はジュールですが、カロリーなど他の歴史的な単位もまだ使われています。

Q:エントロピーは内部エネルギーにどのような影響を与えるのですか?


A:エントロピーが一定に保たれた閉じた熱力学系では、内部エネルギーは最小になります。

Q:電磁波や黒体放射の内部エネルギーは計算できるのか?


A:はい、電磁波や黒体放射の内部エネルギーを計算することは可能です。

Q:食品ラベルに記載されているカロリーは正確ですか?


A:いいえ、食品のラベルに記載されているカロリーは、正確ではありません。


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