(大文字 К、小文字 к)は、キリル文字の基本的な文字の一つで、通常は無声軟口蓋破裂音 /k/ を表します。英語の cat における k と同じ音です。多くのキリル文字の配列では早い位置に置かれ、一般に10番目あたりに現れます。多くの書体ではラテン文字の K と視覚的にほぼ同じですが、その役割、名称、挙動はキリル正書法に固有です。

歴史と起源

この文字は、スラヴ諸語を書くために初期キリル文字が作られた際、ギリシア文字の カッパ から採用されました。古代教会スラヴ語や初期キリル文字の伝統では、文字に音節的な名称が与えられており、カの形と音は導入以来おおむね安定してきました。時代が進むにつれて、東スラヴ語圏や南スラヴ語圏の各地で、手書きや印刷の様式に合わせた調整が加えられました。

音声と正書法上のふるまい

キリル文字を用いる多くの言語で、カは /k/ を表します。ロシア語やウクライナ語のように前舌母音や軟音記号の前では、より軟らかい変種へ口蓋化し、/kʲ/ のように転写されることがあります。кот(猫)、книга(本)、кино(映画)といった語にしばしば現れます。ラテン文字へ翻字する場合、通常は文字「k」で表されます。

字形、異体、デジタル符号化

印刷体の大文字・小文字はそれぞれ К と к です。手書き体、イタリック体、地域的な書体では小文字の画にわずかな違いが見られることがありますが、基本形は容易に判別できます。キリル文字のカは現代の文字コード体系や Unicode に収録され、標準的なキリル文字ブロックの一部として扱われます。見た目が似ていても、ラテン文字やギリシア文字とは別の文字です。

  • 使用言語: ロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語、ブルガリア語、セルビア語(キリル文字)、マケドニア語などで使用されます。
  • 翻字: ラテン文字系では通常 k として転写されます。
  • 紛らわしい字形と安全性: ラテン文字 K に似ているため、視覚的な同形異字になりえます。書体に敏感な場面や国際化テキストでは注意が必要です。

カは音声的にはキリル文字の中でも比較的わかりやすい文字ですが、口蓋化との関係、正書法の規則、地域ごとの字形慣習などを通じて、スラヴ諸語の表記体系において小さいながら重要な要素となっています。ギリシア語の先行文字については カッパ、ラテン文字との比較については ラテン文字 K を参照してください。