ブローニングM2重機関銃とは 50口径の歴史・特徴・採用と運用

M2マシンガン、またはブローニング.50口径マシンガンは、重機関銃である。米軍ではマ・デュースと呼ばれ、その口径から単に「フィフティー・カル」とも呼ばれている。

ユタ州オグデンのジョン・モーゼス・ブラウニング(1855~1926)が発明者である。彼の軍用武器は傑出したものとされ、ドイツのヘルマン・ゲーリング陸軍元帥は、「もし空軍(ドイツ空軍)がブラウニングの.50口径を持っていたら、イギリスの戦いは違った結果になっていただろう」と述べたと伝えられる。

ブローニングは1917年7月に.50口径機関銃の開発に着手し、1918年に導入された。それは、空冷式と水冷式の両方のバージョンがあったベルト給弾式の自動火器で、単発(セミオート)または全自動射撃が可能であった。アメリカ陸軍、陸軍航空隊、海軍は直ちにこれを採用した。

ブラウニングの.50口径機関銃は、1920年代から現在に至るまで、アメリカが多用途に車両兵器や航空機に使用してきた。第二次世界大戦朝鮮戦争ベトナム戦争、1990年代から2000年代にかけてのイラク戦争でも使用された。これはNATO諸国の主要な重機関銃であり、多くの国で採用され続けている。現在でも現代的な改良を加えつつ使用されており、米軍で最も長く運用されている機関銃の一つである。

概要と歴史的意義

.50口径(12.7×99mm、通称.50 BMG)を使用するM2は、長距離での対人・対物能力に優れ、小火器や軽装甲車両、航空機の防御に対して効果的である点が特徴だ。第一次・第二次世界大戦以降、航空機の対空防御や戦車・装甲車の付属機銃、艦艇の対水上・対人用火器として幅広く使われ、運用実績と信頼性が長寿命化の要因となっている。

主要な特徴・基本仕様(概数)

  • 口径:12.7×99mm(.50 BMG)
  • 銃身長:バリアントにより異なるが、長銃身のものが多い
  • 重量(機関銃本体):約38 kg(バージョンにより変動)
  • 発射方式:ベルト給弾式・ブローバック/ショートリコイルではなく遅延式を含むガス圧や反動利用の自動機構
  • 連射速度(概数):毎分約450〜600発(地上型)※航空機用は高い連射速度の専用型がある
  • 実効射程:人員・軽装甲に対する有効射程は約1,500〜1,800 m、最大有効射程は約2,000 m前後。弾道上の最大到達距離は数千メートル(例:約6,800 m程度)

弾薬と性能

M2は多様な弾薬に対応する。代表的なものは通常のフルメタルジャケット(FMJ)、AP(装甲貫通弾)、トレーサー、SLAP(サボテッド軽装甲貫通弾)、および多目的爆発性弾(例:Raufoss Mk211 のような燃焼・炸薬・装甲貫通の複合効果を持つ弾)などである。弾薬の種類によって対装甲性能や対人効果が大きく変わるため、任務に応じて使い分けられる。

バリエーションと近代改良

  • M2HB(Heavy Barrel):地上運用での連続射撃に耐える重銃身型。三脚や車両搭載での長時間射撃に適する。
  • M2A1:ヘッドスペースやタイミング調整を不要にしたクイックチェンジバレル(QCB)機能を備え、交代作業を容易にした近代改良型。特に展開・整備性が向上した。
  • 航空機用(AN/M2など):航空機搭載向けの高連射型や軽量化された派生型が第二次大戦期に採用された。現代でもヘリコプター向けの改良型(GAU-21 などの派生・互換機)が使われることがある。

運用例・搭載プラットフォーム

M2は用途に応じて様々な形で搭載される。

  • 車両搭載:ハンヴィーや装甲車両の頂上・同軸に搭載。
  • 艦艇:小型艇や艦上の対水上・対人防御用としてピントルマウントに搭載。
  • 固定・移動陣地:三脚(M3 など)に据えて長時間の抑止火力として運用。
  • 航空機:第二次大戦では爆撃機・戦闘機の防御機銃として広く用いられた。現代でもヘリコプターのドアガンなどに搭載される例がある。
  • 対物用途:軽装甲車両や施設、武器システムなどに対する「アンチマテリアル」用途でも使用される。

採用国と運用状況

M2は米軍をはじめ多くのNATO諸国や同盟国で採用されており、世界中で最も広く使われている重機関銃の一つである。単純で信頼性の高い機構、大口径弾薬の威力、幅広い弾薬種の存在、各種プラットフォームへ容易に搭載できる点が、長期にわたる採用を支えている。

現代における意義と今後

M2は100年以上にわたって基本設計を変えずに使われてきた稀有な兵器である。現在はより軽量化・耐久性向上・整備性改善を目的とした改良や、電子照準やリモートウェポンステーションとの統合といった現代化が進んでいる。単純な構造と強力な弾薬という組み合わせにより、今後もしばらくは世界中で主要な重機関銃としての地位を保つと考えられている。

参考・注記:本項で示した重量・射程・発射速度などの数値はバージョンや装備、弾薬種により変動する。実運用では使用条件や整備状態によって性能が左右されるため、あくまで一般的な目安として記載している。

質問と回答

Q:M2機関銃を発明したのは誰ですか?


A: ユタ州オグデンのジョン・モーゼス・ブラウニング(1855-1926)が発明者です。

Q:M2機関銃の愛称は?


A:米軍では「マ・デュース」または単に「フィフティ・カル」と呼ばれています。その口径から「モーセ」「モーリュース」と呼ばれています。

Q:いつ頃導入されたのですか?


A:M2機関銃は1918年に登場しました。

Q:どのような武器なのでしょうか?


A:ベルト給弾式の自動小銃で、空冷式と水冷式があった。単発とフルオートが可能な武器であった。

Q:導入後すぐに採用したのは、軍のどの部局ですか?


A:1918年の導入後、すぐにアメリカ陸軍、陸軍航空隊、海軍で採用されました。

Q:この機関銃はどのような戦争で使われたのですか?


A:ブローニング50口径機関銃は、米国が1920年代から現在まで、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、1990年代から2000年代のイラクでの作戦で車両や航空機の武器として使用しています。

質問:この機関銃は現在も使われているのでしょうか?


A:はい、現在もわずかな近代的改良を加えて使用されており、現在、米軍で最も長く使用されている機関銃と言われています。

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