マルツァーン・ヘラースドルフ区(ベルリン北東部):歴史と概要
マルツァーン・ヘラースドルフ区の歴史と概要を詳解。2001年の合併、5つの旧村の由来や地理・文化、ベルリン北東部の魅力を紹介。
マルツァーン・ヘラースドルフは、ベルリンの12の新しい行政区の一つです。2001年に旧マルツァーン区とヘラースドルフ区が合併(合体)して誕生した。合併後は、両地区の歴史的背景や都市構造を引き継ぎつつ、行政や都市計画の統合が進められました。
位置と境界
マルツァーン・ヘラースドルフはベルリン北東部にある。西はリヒテンベルク、南はトレプトウ・ケペニック、東と北はブランデンブルク州と国境を接しています。郊外に近い位置にあるため、公園や緑地、川沿いの景観が多く残っており、住宅地と自然が共存する地域です。
歴史的背景
この区には、かつて5つの村がありました。ビースドルフ、ヘラースドルフ、カールスドルフ、マールスドルフ、マルツァーンの5つの村があり、1920年にベルリンの一部となった。以降、特に20世紀後半の都市化・工業化とともに集落は拡大し、東ドイツ(GDR)時代には大規模な集合住宅(プラッテンバウ〈プレハブ工法〉)の建設が進みました。1970〜80年代にかけて形成されたこれらの住宅団地は、当時の社会住宅政策の象徴であり、統一後は改修や再開発が行われています。
地区の構成(主なオルトスタイル)
- マルツァーン(Marzahn):大規模な集合住宅地区や公園、文化施設があり、緑地やレジャー施設が整備されています。特に「Gärten der Welt(世界の庭園)」が有名で、国際色豊かな庭園景観を楽しめます。
- ヘラースドルフ(Hellersdorf):住宅地として発展した地域で、生活インフラや学校、商業施設が充実しています。GDR期に整備された住宅団地が特徴です。
- ビースドルフ(Biesdorf):古い屋敷や公園が残る落ち着いた地区で、Schloss Biesdorf(ビースドルフ宮殿)とその公園が観光名所になっています。
- カールスドルフ(Kaulsdorf):村落の面影を残す地区で、旧市街的な雰囲気や小規模な商店街があります。
- マールスドルフ(Mahlsdorf):農村的な歴史を持ちつつ住宅地化が進んだ地域で、古い屋敷や地域コミュニティが維持されています。
見どころと文化
- Gärten der Welt(世界の庭園):テーマ別庭園や展望塔があり、季節ごとのイベントや展示が行われます。
- Schloss Biesdorf:歴史的な屋敷と公園。文化イベントやコンサートが開催されることがあります。
- 郊外の自然:Wuhle川に沿った谷(Wuhletal)や広い緑地があり、散策やサイクリングに適しています。
- 建築と景観:GDR期の集合住宅群(プラッテンバウ)と古い村落風景が混在する、都市史を物語るユニークな景観。
交通と生活インフラ
区内は地下鉄(U-Bahn)やSバーン、バス路線などでベルリン中心部や周辺地域と結ばれています。特にU-Bahnの延長やバス網の整備により通勤・通学が便利になっています。日常生活に必要な商業施設、学校、病院、公園などのインフラも整備されており、ファミリー層や高齢者にも住みやすい環境が整っています。
社会・都市再生の動き
東西統一以降、古い集合住宅の改修、エネルギー効率化、公共空間の再整備、地域コミュニティの活性化を目的としたプロジェクトが行われてきました。人口構成は多様化しており、移住者や若い家族、在住の高齢者が混在しています。行政や地域団体は、安全で快適な居住環境づくりや雇用・教育支援に取り組んでいます。
まとめ
マルツァーン・ヘラースドルフは、歴史ある村落の名残とGDR期に形成された集合住宅、そして広い緑地や文化施設が同居するベルリン北東部の行政区です。2001年の合併以降は都市計画や社会インフラの統合が進み、住環境の改善と地域の魅力向上が続けられています。


マルツァーン・ヘラースドルフをハイライトしたベルリンの地図
双子
マルツァーン・ヘラースドルフには、いくつかの双子の町があります。
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