概要
『マネー・イン・ザ・バンク (2010)』は、WWEが「マネー・イン・ザ・バンク」のラダーマッチ・コンセプトだけを軸に据えて初めて開催したペイ・パー・ビューである。2010年7月、ミズーリ州カンザスシティのスプリント・センターで行われ、この試合形式を『レッスルマニア』や他の大会で見られる単発の目玉から、独立した年次イベントへと発展させた。中心となる見せ場は、リング上方に吊されたブリーフケースを奪い合うラダーマッチであり、そのブリーフケースには将来の世界王座戦への契約が入っている。
形式とルール
基本の条件は明快である。契約書入りのブリーフケースがリングの上に吊るされ、勝利する唯一の合法的な方法はラダーを上ってそれを外すことだ。勝者は、自分の好きなタイミングでトップタイトルに挑戦する権利を得る。通常、その権利は12か月以内に行使される。相手が別試合で消耗している直後など、好機を見て「キャッシュイン」できる点が、この試合ならではのドラマを生み出している。
2010年大会の特徴
2010年版は、WWEが『マネー・イン・ザ・バンク』を、大きなカードの中の1試合としてではなく、ブリーフケース戦を中心に据えたペイ・パー・ビューとして提示した最初の例だった。大会では、WWEのブランド別編成から組まれた複数のラダーマッチに加え、他の王座戦やストーリー性のある試合も行われた。公式の大会情報、試合カード、結果については、WWEのイベントアーカイブや同時代の報道を参照できる:公式イベントページ、試合一覧。
歴史と発展
「マネー・イン・ザ・バンク」ラダーマッチは『レッスルマニア 21』(2005年)で初登場し、複数のレスラーをメインイベント級へ押し上げたことで注目を集めた。年月を経るにつれ、この試合は『レッスルマニア』の単独演目から、さまざまなペイ・パー・ビューで使われる定番の特別試合へと変化した。2010年には、WWEがこのコンセプトを自社ブランドのペイ・パー・ビューへ昇格させることを選び、その人気と物語上の有用性を示した。ラダーマッチの歴史的背景については、歴史的背景を参照。
意義とレガシー
『マネー・イン・ザ・バンク (2010)』は、WWEが毎年繰り返すテンプレートを確立した。そこでは、好機をうかがう行動、予想外のキャッシュイン、高難度のラダー・ワークが夜の中心になる。このコンセプトは、ブッキングの選択、キャリアの流れ、そして将来のスター育成に長く影響を与えてきた。後年WWEは女子版の「マネー・イン・ザ・バンク」も加え、ブリーフケースを物語装置として使い続けた。ルールやラダーマッチの安全性に関する補足は試合ルール、ブランド編成の背景はブランド分割の解説で確認できる。
注目点
- 「マネー・イン・ザ・バンク」という試合名自体は、2010年のPPVより前にさかのぼり、2000年代半ばの『レッスルマニア』で初登場した。
- 世界王座挑戦権につながるブリーフケースの仕組みは、予測不能な展開を生み、新たなメインイベント級選手の台頭にも使われた。
- 2010年大会は、今後の単独「マネー・イン・ザ・バンク」PPVの前例となり、ブリーフケース戦をカード上の1要素ではなく中心に据えた。