オリオン腕(オリオン・スパー)とは:太陽系が属する天の川の局所渦巻腕

オリオン腕(オリオン・スパー):太陽系が属する天の川の局所渦巻腕の構造、大きさ、位置やローカルバブルを図解でわかりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

オリオン腕(Orion Arm)は、天の川銀河の小さな渦巻き腕(スパー)で、太陽系(地球を含む)がその中に位置しています。観測や解析では、オリオン腕の幅はおよそ3,500光年(1,100パーセク)、長さは約10,000光年(約3,100パーセク)と見積もられています。

名前と目に見える星々

「オリオン腕」は、夜空に見えるオリオン座の方向に当たる領域に由来する名前です。オリオン腕にはオリオン座に関連する明るい星々や星雲が含まれているため、この名が付きました。オリオン座は冬に北半球で、夏に南半球で見やすく、代表的な天体にはベテルギウス、リゲル、オリオン座ベルトの星、オリオン星雲などがあります。これらの天体は下のインタラクティブな地図に表示されています。

位置と構造

オリオン腕は、銀河の大きな腕であるカリーナ・サジタリウスの腕(銀河系の中心に向かって)と、外側に伸びるペルセウス腕との間に挟まれた小さな拍車(スパー)です。言い換えれば、オリオン腕は長く目立つ二本の腕、カリーナ・サジタリウス腕とペルセウス腕の間に位置する局所的な構造にあたります。

太陽系はオリオン腕の内縁近くにあり、低密度で比較的空洞になっている「ローカルバブル」と呼ばれる領域の中にあります。太陽から銀河中心までの距離は約8,000パーセク(約26,000光年)です。

観測と科学的意義

オリオン腕の構造は電波観測(HIやCOなどの分子線)、およびVLBIを用いたメーザーの年周視差測定などで詳しく調べられています。近年の高精度な測定では、ローカル腕は単なる短い枝ではなく、近傍の構造として比較的長く連続した特徴を持つことが示唆されており、銀河の腕形成や星形成過程を理解する上で重要な領域です。

含まれる天体と星形成

  • オリオン大星雲のような活発な星形成領域(分子雲や若い星団)を含み、恒星の誕生現場として注目されます。
  • 明るい恒星群や散開星団、星間ガス・塵の構造が観測され、銀河の局所構造の手がかりを与えます。

まとめると、オリオン腕(オリオン・スパー、ローカルアームとも呼ばれる)は、我々の太陽系が属する天の川銀河の局所的な渦巻腕であり、星形成や銀河構造の研究において重要な役割を果たしています。

天の川のらせん状腕の構造の観測Zoom
天の川のらせん状腕の構造の観測

オリオンスパーの形状Zoom
オリオンスパーの形状

質問と回答

Q: オリオン座の腕とは何ですか?


A: オリオン腕(オリオン・シグナス腕)は、天の川銀河の小さな渦巻き腕です。地球を含む太陽系がこの中にあるため、注目されています。

Q: オリオン腕の幅と長さはどのくらいですか?


A:横幅は約3,500光年(1,100パーセク)、縦幅は約10,000光年(3,100パーセク)です。

Q: オリオン座の名前の由来は?


A: オリオン腕は、最も著名な星座の一つであるオリオン座にちなんで名付けられました。北半球では冬に、南半球では夏に見ることができます。

Q: この腕の中にはどんな星や天体があるのですか?


A: オリオン座の腕には、ベテルギウス、リゲル、オリオンベルト、オリオン星雲など、最も明るい星や最も有名な天体があります。

Q: オリオン座は、銀河系の他の腕と比較してどこに位置するのですか?


A: オリオン腕は、カリーナ・サジタリウス腕(銀河系中心方向)とペルセウス腕(宇宙外方向)という2つの大きな腕の間に位置しています。

Q: 太陽系は銀河系中心からどのくらい離れているのですか?


A: 太陽系は、銀河系中心から約8,000パーセク(26,000光年)の距離にある、ペルセウス腕と射手座腕の間の「オリオンの尖塔」上に位置しています。


百科事典を検索する
AlegsaOnline.com - 2020 / 2025 - License CC3