パリス(トロイアの王子)
パリスはプリアモスとヘカベーの子で、女神たちの審判を行い、ヘレネーの連れ去りとトロイア戦争の発端を招いたトロイア神話の中心人物。ホメロス以後の文学にも登場する。
概要
パリスは古代のギリシア神話に登場する人物で、トロイア戦争へとつながる出来事に関わったことで最もよく知られている。彼は叙事詩的伝承、とりわけホメロスに帰される作品や、イーリアスおよびその後の叙事詩的サイクルに関連する物語に現れる。パリスの描写は資料によって異なるが、いずれも彼をトロイアの王子として示し、その行動が都市とギリシア世界の双方に大きな結果をもたらした人物として扱っている。
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10 画像誕生と若年期
伝統的な伝承によれば、パリスは王プリアモスと王妃ヘカベーの子であった。神託は、この子がトロイア滅亡の原因になると告げたため、彼は城外の斜面に捨てられた。だが生き延び、宮廷の外で育てられたとされ、ふつうは羊飼いか、あるいは拾われた家のもとで養育されたと説明される。こうした素朴な生い立ちは王家の血筋と対照をなし、ほかのトロイアの王子たちほど典型的な英雄として描かれない理由の一つにもなっている。
審判と約束
パリスの物語を特徴づける出来事が、いわゆる「パリスの審判」である。ヘラ、アテナ、アプロディテの三女神が、誰が最も美しいかを彼に裁かせた。競争には有名な不和の林檎が関わり、各女神はそれぞれ贈り物を提示した。ヘラは権力を、アテナは技量と知恵を、アプロディテは最も美しい人間の女性との愛を約束した。パリスはアプロディテを選び、彼女はヘレネーを与えると約束した。この選択が、物語の次の段階を動かすことになる。
ヘレネーの連れ去りと戦争の勃発
ヘレネーはすでにメネラーオス、すなわちアガメムノーンの兄弟と結婚していた。パリスがスパルタをヘレネーとともに去ったことは、連れ去りとも駆け落ちとも語られ、彼女を取り戻すためにギリシアの指導者たちの連合がトロイアへ向かう契機となった。この衝突がトロイア戦争であり、ギリシアの叙事詩や悲劇の中心的物語の一つとなった。パリスの行為は、しばしば神々と人間のあいだにまたがる、より大きな政治的・軍事的対立の直接の引き金とみなされる。
戦争での役割とアキレウスの死
戦争中、パリスは兄ヘクトールのような前線の英雄というより、熟練した弓兵として描かれることが多い。後代の伝承では、彼がアキレウスに致命傷を負わせたとされ、その矢が英雄のかかとを射抜いた、と説明されることもある。古典資料では記述に差があり、直接パリスの手柄とするものもあれば、神アポロンが矢を導いたとするもの、また矢が毒矢であった、あるいは運命づけられた一矢だったと述べるものもある(版によっては毒矢として言及される)。
死と後世への影響
パリス自身は、ほとんどの伝承でトロイア陥落の前に死ぬ。一般的な伝承では、彼を討ったのはピロクテテスとされる。物語上の事実を超えて、パリスは文学や美術の中で複雑な象徴として機能してきた。継承者であり亡命者であり、恋人であり破局の原因でもあり、さらに人間の選択が神の介入と交差する存在である。彼の物語は古典悲劇、中世ロマンス、ルネサンス絵画、近代文学で繰り返し語り直され、しばしば運命、責任、そして欲望の帰結を考える題材となっている。
要点
関連項目
著者
AlegsaOnline.com パリス(トロイアの王子) Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/74673