ペンタコンタゴン(pentecontagon とも綴る)は、50辺と50頂点をもつ多角形である。幾何学では、辺の数が多い多角形の一例であり、より一般には多角形の一種である。形は不規則にも正多角形にもなりうる。どのペンタコンタゴンでも、内角の和は 8640 度で、一般式 (n-2)·180° に n = 50 を代入して得られる。
幾何学的特徴
正ペンタコンタゴン(すべての辺と角が等しい)では、n = 50 から基本的な数値が直ちに求められる。隣り合う頂点の中心角は 360°/50 = 7.2° である。各内角は 180° - 360°/50 = 172.8° となり、辺は直線にごく近い形で並ぶ。ペンタコンタゴンを三角形分割すると 48 個の三角形ができ、対角線の本数は 50·47/2 = 1175 本である。
公式と代数的記述
- 内角の和: (50-2)·180° = 8640°。
- 内角(正多角形): 172.8°、中心角: 7.2°。
- 一辺の長さを s とする正ペンタコンタゴンの面積: A = (50/4)·s²·cot(π/50) = (25/2)·s²·cot(π/50)。同値な形として、a をアポセムとすると A = 25·s·a。
- アポセム a と一辺 s の関係: a = s/(2·tan(π/50))。
- 正多角形の対称性: 位数100の二面体群 D50。
一般の正 n 角形と同様に、単位円上の頂点座標は 50 乗根で与えられ、m = 0,1,…,49 に対して e^{2πim/50} と書ける。これにより、ペンタコンタゴンは複素数や円分体論とも結びつく。
作図可能性と関連図形
正ペンタコンタゴンのシュレーフリ記号は {50} である。定規とコンパスによる作図可能性についての古典的結果では、正 n 角形が作図可能であるのは、n が 2^k と相異なるフェルマー素数の積である場合に限られる。50 = 2·5^2 ではフェルマー素数 5 が重複しているため、正ペンタコンタゴンは定規とコンパスだけでは作図できない。ただし、代数的に研究したり、近似したり、別の方法で描いたりすることはできる。
関連する星形多角形は、2 ≤ k ≤ 24 の整数 k に対して {50/k} と表される。gcd(50,k) > 1 のとき図形は同一の多角形が複数組合わさった形(複合図形)に分解し、それ以外では1つの星形多角形になる。これらの変種は、多角形の対称性や星形図形の分類を考えるうえでよく扱われる。
語源的には、名前はギリシア語に由来し、penta-(5)に konta(十の複数形)を組み合わせて50を示す。綴りの違いは、転写の方法の差を反映している。実際には、ペンタコンタゴンは標準的な建築意匠に頻出するというより、むしろ理論的・教育的な関心の対象であり、多角形の公式、対称群、単位根どうしの関係を示すために用いられることが多い。ただし、辺の多い図形は装飾や円の近似として用いることもできる。